今更ながらに拝見させていただきレビューさせていただきます。
過去の経験から義兄にしか感情と興味を持てない美少年の義弟によって正常だったお兄さんが壊されていくお話ですが語彙力がなくなるほど美しくて綺麗です。
これこそが愛と人間らしさなのだと思います。
憎まれることでさえ愛を感じてしまう義弟の執着心が恐ろしくもありとても切なく何度も涙しました。
それは執着心をぶつけられる兄から見ても可哀想だと思うほどに。
可哀想という気持ちが
”僕を好きになってしまったばかりに”と罪の意識に変わり
お兄さんも義弟から離れられない。
他人が割り込む隙間も常識すらもない二人の世界には言葉も出なくなります。
読み終えた後、本を閉じてしばらく虚無感に浸って動けませんでした。
この感覚を是非味わってほしいです。