黒竜の王弟殿下は孤独なオメガの王子を寵愛するは、暗く閉ざされた出自を持つ王子シオンと、竜人族の王弟ラルフという、ファンタジーBL。
王族だからこそ「アルファでなければ価値がない」とされ、幽閉されていたシオンが、
運命に翻弄されながらも、ラルフと共に過ごすことで心と体を少しずつ開いていく過程が切なくもあたたかい。
最初は感情や愛情を知らず、人間関係に疎かったシオンが、
ラルフの静かな優しさや誠実な溺愛に触れて「安心」「信頼」「愛する」ことを知っていく成長の物語が胸に染みます。
ラルフの不器用で真っすぐな溺愛も、読んでいてじんわり幸福感。
ファンタジー要素と王族・オメガバースの設定が好きな人、そして「孤独な受けが救われるおとぎ話BL」が好きな人には、特におすすめです。
勇者になることを夢見ていた少年が、オメガであるというだけで家も未来も奪われ、
王の側妃として売られるというはじめから、もう一気に物語に引き込まれました。
ファンタジー+オメガバースの重めの設定?ですが、受けのリヒトが折れずに必死に生きようとする姿が、とても健気で愛おしい。
そして何より魅力的なのが、攻めの勇者ヴィクトール。
爽やかな英雄かと思いきや、実はめちゃくちゃ執着深いというギャップが最高でした。
見た目は光属性の王道勇者なのに、内側は完全にリヒトに囚われた一人の男。
でもその愛の深さが重すぎず、読者として安心して身を委ねられる絶妙なバランスです。
オメガとしての理不尽さ、身分差から来る葛藤など、シリアスな要素も多いのに、
読む手が止まらないほどテンポよく進みます。サブキャラの存在も効いていて、世界観がしっかり作られている印象でした。
最高にハラハラドキドキしました!
将軍・光彬と御台所・純皓のラブラブな関係に、佐津間の姫をめぐる策略や玉兎がグイグイ絡んできて、大事件の連続。
特にこのお話では、純皓の兄である麗皓の切ない秘密が明かされて、もう「そうだったの!?」と一気に物語に引き込まれました。
周りがどんなに騒がしくなっても、将軍様を溺愛する純皓の執着っぷりと、そんな彼に甘く組み敷かれる光彬の可愛さが健在で、ニヤニヤが止まりませんでした。困難を乗り越えるたびに、二人の愛の絆が強くなっていくのが本当に尊い…!
最後に向けて、政の陰謀や人智を超えた神との対決が本格化しながらシリアスな展開の中でも、二人の愛の絆が強くて安心できました。
宮緒葵先生の「華は褥に咲き狂う ~火華と刃~」を読みました。
この話は、すごく立派な将軍の光彬と、そのお嫁さんの純皓が主役のお話です。純皓は男なのに、息をのむほど美しくて、まさに「華」という感じ。
一番すごいのは、純皓さんのギャップです。
昼間はすごくしっかりしたお嫁さんなのに、夜になると光彬を誘うのがめちゃくちゃ良い、読んでいてドキドキが止まりませんでした。
この「昼と夜の顔」の設定が本当に良かったです。
今回は、光彬と生い立ちが似ている人が出てきて、町で変な事件が起きる展開になり、物語に緊張感がありました。
ただラブラブなだけじゃなくて、二人で困難を乗り越えようとする姿が感動的でした。
純皓の過去の秘密みたいなのも少しずつわかってきて、これからどうなるのか気になります。
和の世界観と、小山田あみ先生の絵がとにかく綺麗で、感情移入しながら楽しく読めました。
華は褥に咲き狂う 悪華と純華
江戸時代の将軍と、その奥さんになった美男子のイチャコラ…いや、深い愛の物語。
強くて優しい将軍・光彬。
彼の心を掴んだのは、息をのむほど美しい男性の奥さま純皓です。
二人は本当に仲良しなんですが、今回はちょっとしたピンチが。
将軍家に跡継ぎがいないからって、家臣たちが光彬に「新しい奥さまどうですか?」と女性を送り込んでくるんです!
果たして二人の愛は試練を乗り越えられるのか…?という展開がすごくドキドキします。
単なるラブラブな話で終わらないのがこの本のすごいところ。
将軍の仕事や、裏でこっそりと動く人たちのお話もあって、読みごたえもバッチリです。
キャラクターの気持ちがすごく伝わってくるから、ついつい読み進めちゃいます。
綺麗なイラストも入っていて、物語の世界にグッと引き込まれます。