友人となって数年。心地のいい関係を続けていた巧はある日突然友人だと思っていた男・モトキからゲイだと告白されお前が好きだと告げられる。
27歳の社会人の男同士。
気まずくなればいつでも距離が置ける2人にとってその告白は別れの宣告なのか、新しい関係への1歩となるのか……
ネタバレしてしまうと、結果は新しい関係へと繋がるわけですが、そこに至るまでの巧(受)の心情の描かれ方がとてもいい。
友達としてモトキといるのがいかに楽しいか。居心地がいいのか。時間をかけてたっぷりと見せてくれるのです。
それは確かにまだ愛ではないけれど、それに匹敵するほど大きな友情で、男同士の友情が大好きな方にとってはたまらない関係性だと思います。(最後にはちゃんと恋人同士になります)
そしてこの作者様。日常に潜むエロスがとてもお上手…!受が体調崩した時のマスク姿。すごくエロイのでそれだけでも見る価値ありです。
タイトルが全てを表してくれている親切な一冊。女神と呼ばれるのは真ん中の目つきの悪い37歳傭兵おじさん。
異世界に紛れ込んでなぜかいきなり理由もなくハーレム状態に陥るのかと思いきや、キャラクターが背負っている悩み、呪い、過去がきちんと書かれており、その理由によって各キャラの行動原理が見えてきます。
だからこそ主人公に惹かれる理由も様々でそのかき分けが素晴らしい。
綺麗な従者、子どもから大人へと成長途上の少年、暗い過去から本心を閉ざしヘラヘラと軽口を叩くひねくれた副官、などなど他にもたくさんのキャラクターが出てきますがそのどれもがモブとは呼べない魅力的さ。
きっとお気に入りの1人が見つかるのではないでしょうか。
注意して頂きたいのは真ん中の目つきの悪い子が受ということ。
続きものであるということ。(2巻が絶対読みたくなってしまうので注意)
3P表現があるというこ。
最後の注意については、この3Pの時の書き分けも(熟練の美人従者の手管と初体験の未熟な少年王のたどたどしさ)も見所だと思うので大丈夫な方はぜひ堪能して頂きたい。
イラストからも分かるように主人公の厳しいかっこよさは勿論ながら、本文を読んだ人にしか分からない主人公の意外とも言える一面をぜひ読んで確認して欲しいです。