発明オタクの攻めと、元お坊ちゃんの受け。
一見すると凸凹していそうな組み合わせですが、これがもうガッチリとはまっています。
まずキャラが良いです。これ!と言った悪役もおらずみんな優しく、攻めも変人ではありますが優しくて時に男らしく、受けはなんだかんだ素直で世話焼き。お互いがお互いのこういう所に惹かれたんだなあというのがしっかり伝わってきます。
全体的な作品の空気があたたかいです。コマ割りも自然で漫画としても非常に読みやすく、表情の変化や動きでコマが大胆に分けられるのも素敵です。
また、コメディ的な雰囲気でありながら、ここぞという所はしっかりキュンキュンさせてきます。
特に、ハッテン場と知らず潜入した映画館で、攻めが慌てながらも受けを抱き寄せるシーンが好きです。
どさくさに紛れたシーンではあるんですが、その時のことについて受けが思い出してはモヤモヤ考える一連の流れが、大好きな人にはもうたまらないと思います。
Hシーンも長くはありませんが、書き下ろしで受けが事後に言った「ドSメガネ」これがもう良すぎる。また攻めがそれに無自覚なのもいいです。
絵に描いたようなドSではなく、ふと垣間見る一面がナチュラルにSなのが無理ない設定で最高です。
読後のほっこりを味わいたい方、カップリングに惹かれた方、コテコテのBLよりも少しコメディ要素があってドタバタしつつキュン…とする感じが読みたい方は必読です。