これは長編の番外編で他ではどこにも収録されていません。
長編はもう一つありますが、それよりこちらはなぜ商業誌に入ってないのか信じられないレベルのお話だと思います。
時期的に昔の単行本への収録が無理なら、せめて「完全版」と名前が付いた文庫版に入れてほしかったです。
硬派な秀一のお水なホスト姿と、その交友関係に嫉妬する辰巳の姿が読みごたえありますし、新たな名前有りモブの登場で秀一のさらなる大阪への溶け込み方が変わっていく重要なお話だと思いました。
また平の奥さんで、桐山組長の娘、由紀子の商業誌終わりの方での突然の登場も、このお話があればもう少し自然だったんじゃないのかなと。
なにより、海老原由里さんのイラストでホスト姿の秀一やゲイクラブでイチャイチャする辰巳と秀一の姿が見たかったw
とにかく、同人止まりで多くの人に日の目を見ないのが惜しいお話です。
ありがたくも、これは作者のサイトや同人誌で発表された、商業誌「真昼の月」の短編の番外編が全収録されたものです。ただ書下ろしはないですし、商業誌収録分もないです。
そして、当然こちらには長編の番外編が入っていません。作者も「そっちは別に完全版を出すかもしれない」と、これを発表した当時にツイッターでつぶやいてました。
内容は商業誌収録の短編よりはボリュームが少な目ですが、本編の隙間や最中、番外での二人のごく短いエピソードが散りばめられています。シリアス度やエロ度は少な目ですが、辰巳と秀一のツンデレのラブラブ度は健在です。
一番興味深かったのが、秀一がまだ刑事時代に辰巳に会うというパラレル。
本編最後に登場したあのお方も普通に出演してるし、これはこれで違う「真昼の月」感があって面白かったです。
もっと「真昼の月」を味わいたい方、作者サイト(運営終了)や単独の同人誌で読みそこねた方は、同人誌を取り扱ってるショップにたまに在庫があるのでぜひ探してみて下さい。