どのお話も読みやすいです。ただし日高ショーコ先生お得意の繊細な心理描写や自然な感情の移り変わりを、短編で活かすのは正直難しいか…という印象も受けました。「なんでそう思ったの?」とか「受け入れ早〜!」と思うことが各話1個はあったので、それがちょっと残念でした(もしかして短編集って大体そゆ感じ…?)。とはいえどれも10年以上前の作品で、短編で、加筆修正も沢山されているということなので、代表作と比べるのは少し違うような気もしました。
良い点としては「そういえばこういうシチュエーション読みたかったんだよな〜」というのが、先生の綺麗な絵で気軽に読めるという点。あとはどちらかというと金髪受けが好きなので、茶髪かもしれないけど金髪をイメージして読んでいました。特に好きだったのは「かさなるように」と「並んだ過去」で、「かさなるように」は受けが若干誘いっぽいのが良くて、「並んだ過去」は眼鏡を外された攻めに「えイケメンじゃん!!?」ってなりました。
萌えるポイントはそんなに多くなかったものの、なんやかんやで今後も読み返しそうです。というか短編集にハマりそう。
普通、クズが一途になれる訳ないじゃないですか。クズなんだから。
でもやっぱり夢見たい!そんな望みを叶えてくれるのがこの作品です。
片桐はおっかない攻めですが、ちゃんと王子にもなれるんです。王子×おじさん、難しそうなのに、意外とうまく成立しているという不思議。
一方で受けの長谷川さんは、お人好しだからか片桐だけでなく周りの人にも振り回されたりして、なんかもうホントかわいそうです笑
個人的にはもっと片桐に辛い思いしてもらわないと、釣り合いが取れない気がするので次回作があれば、それを少し期待します笑
とにかく攻めが良くて、攻めの姿を何度も見返したくなる作品でした。