まず絵が好みで、ストーリーも共依存愛を描いていて、歪んだ愛や執着が好きな自分としてはどストライクでした。
日々に物足りなさを感じていた学が出会ったアザだらけの美しいイオリは学にとって"非日常"で、刺激を与えてくれる存在になった。
アザのあるイオリの美しさに取り憑かれたり、暴力的な感情が生まれたりもする。
でも、イオリはそれを全て受け入れる。
マゾなのかと思いきや(それもあるかもしれないけど)愛情に飢えていたんだなとわかる。
きっと最初はお互いにとって都合の良い相手だったのが、気づけば依存して歪んでいって、その歪みがパズルのようにぴったりハマる、そんな二人はある意味ベストカップルです。
溺愛系やラブラブハッピーエンドが好きな人には「それは愛なのか?」と取れるかもしれませんが、これも立派な愛の形です。
元々オメガバースは好きでよく読んでいたけど、最近はどれもネタ切れ感があって、そろそろいいかなーなんて思っていたけど、この作品は全然違う。
衝撃。
普通のBL、普通のオメガバースとは一線を画す重厚で深みのある作品。
受けの雰囲気が、どうにも幸せから縁遠そうなのも好みだし、攻めが受けしか目に入ってない溺愛ぶりもめちゃくちゃ好みだったし、
局部を露骨に描いてないけど妙にエロく見えるHシーンも好みだった。
本来好きな人に愛されたら、抱かれたら嬉しいはずなのに、
こんなに切なくなるかという…
受けの幸せを心から願った。
だからラストシーンとかきおろしは、
心から祝福したい気分になった。