初めて読む作家さんです。
書店で表紙の千歳くんを見て可愛い〜〜となんとなく手に取ったのがきっかけですが、読んでみたらどハマりしました!
キスが多めで、メインストーリー内濡れ場はあっさりめです。
なのに男子高校生の性欲がやたら生々しい……!
親がいない短い時間でやることやろうとしたり、ラブホで大はしゃぎしたり、浮かれたり照れたりしながら性欲を発散する姿に読んでいるこっちが照れてしまいました。
特別なきっかけがあるわけではなく一緒にいて相手のことを知って徐々に惹かれていくような、普通の恋愛のあり方がとても好きです。
最終話と描き下ろしで千歳くんが笑顔になれて良かったです!高鷹、一生祝ってあげてください!!
コミコミスタジオの特典リーフレットで、千歳くんのピアスをあけたのが「大学の友達……?ちょっと前までつるんでた奴」と言い直してたのがものすごい気になっています。
友達と呼ぶほどではないという意味なのか、そういう関係があった相手なのか……
あと、BLのレビューとして正しいのかわからないですが、一番すごい!と思ったのが、男子高校生とその家族の解像度の高さです。
母親にツーンとしちゃう反抗期も、やっぱホールケーキがよかったんでしょ〜と言わなきゃいいのに軽口を叩いちゃう母親も、母親に言われておたおめLINEをする姉との距離感も……そして何より父親の描写がとんでもなく解像度が高いです。
息子の誕生日なのに先にごはん食べちゃうところとか、姉の東京行きは許さないのに弟の東京行きは許すところとか、レストランから帰りの車まで一言も喋らないところとか……うわ、こういう父親いる!!とびっくりしました。
1回目に読んだとき、千歳くんって友達いないのか……?と心配しましたが、男同士ってこんなもんですよね。
バイトの送別会をしてもらったりLINEで友達ぽい人との履歴があったりそれなりの人間関係は築いていて、千歳くんの普通の男の子ぽさを感じられました。
上野先生がいつか番外編が描けたら、とSNSでおっしゃっていたのが今の生きる希望です。
無印から引き続き、ハード過ぎず愛のあるSMプレイが繰り広げられます。
もっと過激なプレイや濡れ場を期待するとぬるいのかな……と思いますが、個人的にはちょうど良かったです。
乳首ピアス、いいですよね。
泉輝さんと徹ではなく周囲のキャラクターたちの感想になってしまうのですが……、
池田さんとリオくんがいつの間にか仲良くなっていたり、汀先生がTwitterに2人のイラストを上げられていたり(左、池田さんかと思ったのですが、違ったらすみません)したのがとても気になりました。
これは?もしかして?と勘ぐってしまいましたが、ただのいいお友達なんでしょうか……。
徹がバイトを始めた当初は何も無かった池田さんの耳に、後半ピアス穴が空いているのもン??となりました。
泉輝さんと徹はもちろん、お友達や元カノなど魅力的なキャラクターが多く、続編があると嬉しいなぁと思える作品です。
他の方も書かれていましたが、泉輝さんが活動停止になったときの世間の反応はどうだったのだろう?と、そこは少し消化不良でした。
表紙の絵柄が好みだったので購入しましたが、気が付いたら電子含む特典全種集めていました……。
可愛らしい絵柄とは対照的に「逆アナル」「AV男優」という過激なワードの羅列にギャップを感じていましたが、濡れ場のピークは1話(と描き下ろし)で、それ以降は淡々とストーリーが進んでいきます。
その淡々とした描写が、この作品の好きなところです。
この2人は普通に出会って普通に恋愛をします。
大きな障害を2人で乗り越えて深まる愛……ではなく、「ちょっと可愛いな」とか「この人、自分のことが好きなのかもしれない」とか、そういう些細なことがきっかけで人を好きになる、現実的な恋愛だと思いました。
あと縞くんのホクロが可愛い。
固い絆で結ばれた恋人が好きな方には少し物足りないかもしれませんが、個人的には今冬イチオシです!
作家買いするぞ〜!と検索したら初単行本だったようで見つからず残念でした……。
次作も楽しみにしています。欲を言えば、また由木くんと縞くんに会いたいなぁと思ったりもします。