今作品、1巻がそのまま終わりそうな雰囲気を出していたので続巻が出て、更に続きそうなので嬉しい限りです。
障害がある登場人物が出てくる作品の中で、この設定が必要?と思うものもあるなかでこの作品はとても自然です。
障害があるがゆえか人の心を読み取れる青年の日常と耳は良いが他の声を耳に入れたくない大学生の生きづらい毎日が交差して共存していきます。
2巻は異性愛者だった五十鈴が十架に少しずつ恋をしていく様子が、フォーカスの当たっている十架の忙しい毎日の横にひっそり見えていたりするのがおしゃれで可愛かったです。
十架は一見尖ったキャラクターに見えますが、
作品全体では同じ雰囲気を出していて(優しい世界)
まとまりを持っていますが、
障害を持つ身としては、もっとシビアな部分も(悪辣な世界)を見せて欲しかったです。
先生の絵は文字が無くても読み取れる繊細なタッチなので、いつかものすごく悪い人の歪んだ顔を見てみたい気がしました。