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女性ちるらぽんさん

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予想外(失礼ですね)に面白いです!

新人編集者とスランプ中の作家のお話。
最初は作家の方に色々問題有りなのね、と思ったら。
編集者の方がもっと問題を抱えていて。
そのせいで来るもの拒まず、結果ヤリチン?に。
その原因を知った作家は自分に出来る事として作品を書くのですが、そのせいで二人の中は拗れてしまい。
でもお互いに惹かれるものが有ったのですね(編集者はそれが嫉妬とは気付いていないようですが)。
と言うお話なのですが、お話の流れに無理が無く、また所々でクスッと笑えて、不覚にもうるっとして。なおかつ色事もサラッとはしているのですが色っぽく。
よくまとまってて一気に読んでしまいました!
絵も独特ですがスッキリと綺麗な絵で、私は大好きです。
そんなに期待しないで読んだのですが、面白かったです。出来れば最後にもっとイチャイチャして欲しかったですけど。とても良い作品でした、お薦めです!
紙の本は無い、のかな。残念〜。

キーリングロック コミック

ymz 

過去からお互いに一歩ずつ。

読み終わって、温かい気持ちになりました。
監禁、とは言っても「暴力・命令なし、衣食住付き、欲しいものも大体買って貰える、ただ家から出られない」だけ。嫌なら出て行ける。
そう言われて特に躊躇するでも無く、まあいいよと受け入れてしまう唯。何でそんなに適当に生きているのか。
小説家で、監禁が趣味で、でも人恋しいからではなくて、むしろ他人がいる事で心に負担がかかってしょうがない十識。なのになぜ?

この二人の過去が気になりつつ物語は淡々と進むのですが、唯のピアスを巡って二人の生活が大きく動きます。

二人とも過去に大きな消失を抱えていて、その二人が過去の後悔を乗り越えて、ほんの少しずつですが、お互いに手を伸ばすことで前に進んで行く様子がとても愛おしいです。

十識の過去については、誰にでも多かれ少なかれそういった経験は有りそう、と思ってしまう程度にしか描かれていないのですが、その点についても家出少女の心ちゃんの言葉通り、経験で一括りにされて決めつけられるものでは無いのだなあ、と。
その時何を感じてどれだけ辛かったかなんて他人に決められるものではないんだなあ、とハッとさせられました。(でも十識、マンションから飛び降りてるんだから相当辛かったはずなんですけどね、描写だけではそんなに?と思っちゃう、現実のいじめとかでも一括りにしちゃダメなんだなあと)

番外編と描き下ろしで、二人の生活が見られて良かった。
手探りで、でも互いに思い合っているのが微笑ましいです。
そしてここでもピアス。
ああー、そうなりましたか!なるほど、上手い!
二人のはにかんだ笑顔を見て私も幸せな気持ちになりました。

恋愛的な描写は有りませんが、それよりも心の底から求め合う様な、二人の関係が素敵なお話しです。

激動のチベット、彼らの行く末は

2巻、完結巻です。
1巻で忍び寄って来た中国によるチベット侵攻の波がついに主人公達に襲いかかります。

ダワ達は逞しい青年期に入り、最初の方のページの彼らの成長した姿にキュンとしました。
また、作中のドルジェの黒帽の踊りの姿もとても素敵です。(裸の背中の色っぽさ!)
そんな姿にダワも自分の中のドルジェへの気持ちにとうとう気付き、葛藤し、苦しみます。

しかし時代は激動の波に飲み込まれていきます。
ダワ達の僧院のトゥルク(転生ラマ・化身僧)をダワ、ドルジェ、ガワン、副僧院長らは古都ラサまで送り届けるのですが・・・。

2巻では、ダワの生い立ちや父母の事が分かったり、ダワ、ドルジェのそれぞれの行く道が決意されます。
そしてラサでの中国軍の横暴に胸が痛みます。
「昔中国だった」と言う理由だけで、こんなにも理不尽に善良なチベットの人達は虐げられて行くのかと恐ろしくなります。

そんな時代の波に抗って行くであろう彼らの姿で物語は終わります。涙なしでは読めませんでした。
それどころか、読み終えて数日経った今でも胸に澱が溜まったままになってしまっています。
そうなってしまうくらい、その時代のチベットの人々の様子が自分が一緒に経験しているかのように感じられる素晴らしい作品です。

彼等の行く末に幸せが有りますように。
チベットが全ての人々にとっての理想郷、シャングリラとなる日が来ることを願ってやみません。調べたら今現在も、大変なんですね。いつになれば彼等の祈りは成就するのか・・・。

追記・ダワの気持ちに対するドルジェの答え、二人の選んだ道等、切ないですが是非作中にてご確認下さい。
あと、1巻の感想で書きそびれましたが、ダワのお父さんもめちゃくちゃカッコいいです!
そしてドルジェは褐色黒髪、ダワは色白金髪?美人系です。

それと・・・。蔵西先生の前作、流転のテルマ(ブロマンスです、こちらは現代物、オススメです)で初めて知ったのですが、チベットの方々は寝る時裸なんですよ・・・。(その方が暖かいそうです)
そんな描写も有ったり、蔵西先生の絵がまた色っぽいんですよね、ふとした拍子に。
そんな所もご堪能ください。



圧巻のチベットの描写、少年僧の群像劇

2巻完結作品です。
1940〜50年代、激動の時代のチベットの僧院での生活が鮮やかに描かれています。
物語は女装させられた幼い男の子が父親に連れられ、僧院に託される所から始まります。
この子、ダワがとても可愛いし健気です。最初にお世話になる部屋に案内された時、両掌を身体の前で捧げるチベット式のお辞儀?をして「よろしくお願いします」と泣かずに健気に振る舞う所等、切なくて抱きしめてあげたくなりました。
最初に父親からダワを託された男の子、ドルジェはやさしく、頼もしい子です。あれこれと一生懸命にダワの事を考えて世話してくれます。素敵な青年になる予感!
なぜダワは女装させられていたのか?なぜ一人僧院に残されたのかを軸に、それぞれの少年僧達の人生の葛藤や成長の様子が描かれます。
蔵西先生の綿密な取材や知識を元に、チベット僧院の生活や息遣い、雄大な自然が、まるで自分がその場にいるように感じられて素晴らしいと思いました。
登場人物一人一人の心情などにも引き込まれ、一緒にハラハラしたり切なくなったり。主人公はもちろん、周りの少年僧達、そしてテンジン副僧院長(とっても素敵なおじさまです、不謹慎ですが)など、みなそれぞれ生き生きとしています。
また、その時代の不穏な空気も徐々に感じられ、一体この先どうなってしまうのか、一気に読み進めてしまいました。
BLとしては1巻では、まだ淡い思慕の感情が感じられる程度ですが、彼等の清らかな心に惹きつけられます。
そしてなんと言っても巻末の参考文献の数!からも納得の、チベットの描写に是非、浸ってください。