上下一気に読みました。
聡夫くんはものすごくかわいいしプラトニックな愛に終始する進藤の人間性が頼もしくも好感がもてて良かったのですが──おそらくこの話はSFとして読まれることは想定しておらず、絵本のように読んでほしいタイプの話なのだろうと思います。その上で世界観に強い違和感を覚えてしまい、萌えるのが難しかったです。
普通に生活している人間ひとりを消費して作るサイボーグを、公に存在している会社が製造するというのはコスト上や守秘の点から考えてあまりにも現実味がないように思えます。
貧民には基本的人権のない銀河鉄道999のような世界なのでしょうか?
里親制度や義務教育の存在、進藤その他の生活をみる限り、現代の豊かな先進国のようにしか思えないのですが。
物語としては進藤が聡夫を特に妨害もなく引き取り、この後も静かに二人の生活が続いていく──というもので、「結」らしきものがありませんでした。サイボーグの素材となる人間を大量にバレずに入手するのも難しいでしょうし、この会社は潰れるのでは?と心配になりました(笑)
とは言え二人が幸せに生活していけるならそれでいいんだろうと思います。