読んだらすべて心が持っていかれる神作です。
この作品を読むと他の作品がなかなか読めなくなってしまう禁断症状が発症します。
レビュー書きたくてちるちるの会員になってしまいました。
何度も読む度に新しい発見がある極上のスルメ作。
すべてのシーン、セリフもほぼ覚えているくらい読み込んでいるはずなのに、それでも新たな話を読んだり、視点を変えて読むと、また発見があるのです。こんな作品、他にあるでしょうか。
以下、ネタバレありです。
6巻、やばいくらいに好きなシーンがあります。
32話、百目鬼が車を降りたあと「あいつがバカで良かった」と矢代が顔を手で覆うシーン。表情が見えないのに、この瞬間、矢代の仮面がとれた気がしました。そのあとの雨の中の親子。その親子から目を逸らしたのち、矢代の心の中に降る雨が背景に表現される。そこで戻ってくる百目鬼。手には傘を持って。この間、誰も表情を崩さない。セリフもモノローグもない。私はこのシーンに鳥肌が立って、読み返すほどに涙がにじんできます。
33話は一転、おかえりなさい膝枕の切なさ半分ときめき半分のシーン。最高です。矢代の告白とも思えてしまうシーン。もう胸が張り裂けそうです。誰かお薬ください…。
35話、病院の窓から見える小鳥が青空へ飛び立っていきました。雨が上がったような気配でした。でも、なんだか悲しかった。あれは百目鬼を精一杯の気持ちで解放した矢代側の視点なのでしょうか。だけど、この悲しみが描き下ろしを見てなんとなく救われた気持ちになりました。覚悟を持った目で闇へ進む百目鬼。青空の光と闇の対比。これが同時に起きていたという…。いろんな感じ方、考察ができるので、一冊で百冊分くらい楽しめる作品。きっとずっと語り継がれる作品になることでしょう。
なんだかんだいろいろと考えてしまうけど、言いたいことは一つなんです。
好きだーーーーーーーー!!!!!!