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女性kaya。さん

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No Title

無愛想な性格が原因で人付き合いが下手な保坂。
唯一彼を避けずに親しくしてくれるのは保坂とは逆に
人気者の同僚・真城でした。

けれど、ある日、同僚の真城がホテル前で
男とキスをしているところを目撃してしまい…。

唯一の理解者で友人のように思っていた真城の本当の姿に戸惑い、
同時に意識してゆく保坂。
頑固なように見えてめちゃくちゃチョロかった…。

一方の真城はてっきり保坂のことが好きなのかと思いきや、
ゲイであることやセフレがいることを知られても今までと態度も変わらず。
あくまで真城にとっての保坂は友人だったのかな?と思ったところで
突然の告白にやっぱり!!!とついつい興奮してしまいました。

返事はいらないという真城でしたが、
真城の気持ちにまっすぐに向き合おうとする保坂。

考え抜いた末に真城のことを可愛いと感じる自分に気付き、
彼と恋人になることを心に決める保坂でしたが、
過去の恋愛がトラウマになっていた真城は
保坂との関係が進展することに臆病になってしまいます。

ずっと保坂を一途に想い続けてきて、やっと恋が成就するというのに
素直になれない真城にじれじれさせられました。

保坂はというと、恋を自覚すると気持ちをはっきりと言葉にしてくれたり、
真城を大切にしてくれたりと、糖分たっぷりの彼氏ぶりで
当初の恋愛下手なイメージが読み進める程に払拭されてゆきました。

特に真城をつけ回して嫌がらせをする当て馬を追っ払うシーンは
めちゃくちゃ男前でした!
こんなに大切にされて独占欲剥き出しにされたら、もう惚れずにいられない!

現実と夢の間に惑う

しちみ先生といえばニコラスシリーズ!と
今作も特にあらすじなど確認せずに手に取りました。

ただ、購入後に気付いたのは版元が違う!ということ。
新装版を再販というのでもなく、
別の版元から刊行するもキャラクターはそのまま使っていいんだぁ…。
作品自体には関係ないもののあまり見かけないパターンなので
なんだか感心してしまった。

さて、ストーリーですが、今回も男たちの餌食になっているニコラス。

夏休みにフィンリーは友人の別荘に招かれ、
そこで美しい少年・ニコラスと出会います。

父親と兄から冷たい態度をとられ、どこか儚げな雰囲気を漂わせる彼は
「夜にお化けがやってくる」と打ち明けてきて…。

ニコラスが父親と兄からの性的虐待を受けている。
その可能性に気付いたフィンリーは彼を守るためにある行動にでます。

これまでのニコラスはその美貌から男たちの性欲の捌け口とされ、
ただひたすらに不幸に突き落とされてきました。

けれど、本作はほんのり違うような。
花のように周囲の人間を惑わす不思議な魅力を放つニコラス。

男たちは彼の色香に惑わされ、じわじわと狂わされてゆきます。
フィンリーもまたその一人でした。

真面目な優等生だった彼がニコラスと出会い、
彼に絡めとられ、危険な思想に囚われていくさまにドキドキしました。

ただ、読み進めてゆくと、フィンリーが元から狂っていたことが
わかってゆきます。
そんな彼がニコラスに出会い、さらに深みに堕ちてゆく…。

それは現実か、夢か。
今読んでいるこれはどちらなの?
曖昧な境界線に何度も惑わされてしまいました。

No Title

元シングルファザーのΩ・里見と大企業の御曹司α・神門の
番になったその後が描かれた続編です。

本作では前作から数年が経過しており、
里見と神門の間に次男の幸哉が誕生しております。

子供二人とスパダリ夫に恵まれ、前作の不憫さとはうってかわって
幸せそうな里見に多幸感が溢れておりました♪

今作ではそんな二人の仲に割って入る当て馬が登場します。
里見が育休中に入ってきたαで新人の金成。
爽やかで仕事もできて優秀な後輩ですが、何やら裏があるようで…。

この場合、金成が里見に横恋慕するというのが王道的展開では
あるのだろうけれど、ふとした瞬間に見せる里見に対する
金成の表情や態度がやけに冷ややかでそれも違うとわかります。
では、金成はどうして里見にくっついているのか…彼の目的とは?


実は金成の狙いは里見、ではなく、神門の方でした。
うん、なんか神門に対する態度に違和感はありはしていたけれど、
いや、そっちかよー!

幼少期の家庭環境が原因で完璧な人間に惹かれやすい金成は
αで次期社長でもある神門に密かに想いを寄せていたのでした。

そのために里見の存在が邪魔で、二人の仲を引き裂くために
里見に接近して神門の嫉妬心を煽ったり、里見への不信感を抱かせたり、
陰謀を巡らせます。

ただ、里見も神門も誰に想いを寄せられようと、
互いのことしか眼中にないので嫉妬しても結果的に二人の愛情が
さらに深まるだけなのでした。
寧ろ、二人がイチャつくためのスパイスにされていた金成(笑

嫉妬からのプチ喧嘩という雨が降った後がっつり地固まった二人。
いっそう夫婦愛も深まって幸せいっぱい、と思いきや、
子供同士の不穏なやりとりで終えてしまいました。
え、これ続くの…?
里見と神門の間に幸哉という次男が生まれたことで、
義理の親子問題は避けられないことだと思っていたけれど…
幸多が可哀想すぎる。
子供って悪気なく思ったこと何でも口にしちゃうから本当に残酷です。
神門と里見がどう向き合ってゆくのか、次巻の展開も気になります!

No Title

DV夫と離婚して一人で子育てをするΩの里見はある日、
道端で風俗店の求人票を見つめているところを
怪しげな男に声をかけられますが…。

なんとその男・神門は大企業の跡継ぎでした。
神門のすすめで職場を紹介され、救われた里見。

そして、数年後、海外転勤から帰国した神門と再会を果たします。

大企業の御曹司な神門ですが、その恵まれた経歴とは裏腹に
ギャンブル好きの遅刻魔という残念ギャップ。
元旦那はDVクズ男で、神門はギャンブル好きのマイペース男…
とことん男運に恵まれない里見が不憫にも思えましたが、
読み進めていくとじわじわと醸し出される神門の包容力に
最初のイメージがスパダリへと上書きされてゆきました。

里見と元夫の息子でもある幸多に対しても可愛がってくれて、
里見の子育てを進んで手伝ってくれる神門に未来のイクメン像が
垣間見えました。

はじめこそ本能的に里見の匂いに引き寄せられ、
お見合いを断るための偽装お付き合いでしかなかったけれど、
一緒に暮らしてゆくうちに芽生え始める執着や甘やかしっぷりに
愛情が感じられてゆきました。

途中里見の元夫が登場するものの、あまりのクズぶりに
どうしてこの男と結婚してしまったのか…と
怖いもの見たさで二人の馴れ初めが気になってしまいました。
里見にちょっかいをかけようとするものの、
神門の根回しによって最後はちゃんと警察に逮捕されてくれて安心しました。

描き下ろしでは二人の間に生まれた次男も見れて幸せいっぱいでした♪

わんこが繋いだ恋

過去トラウマから人間不信気味なペットシッタ―の環は
依頼を受けて楽曲制作者の百田の元を訪れるも
彼のペットに対する無責任な言動に叱りつけてしまいます。
けれど、環の予想に反して百田から懐かれてしまい…。

第一印象は大きな図体で無愛想だったのに、心を開いた相手には
人懐こく素直な百田のギャップに思わずキュンとしてしまいました。
見た目は遊んでいそうなのに、恋に一途という意外性も萌えどころでした。

対する環も人間不信で頑なな性格と思いきや、
まっすぐに好意を向けてくる百田に対してはあっさり心を許し、
予想外に絆されるのが早く、チョロかった…!

過去のトラウマで家から出られなくなった百田と、
人を信じることができなくなってしまった環、
それぞれに傷を抱えている二人ですが、
互いの存在に救われてゆく過程がよかったです。

そして、二人の恋のキューッピドでもある
百田の飼い犬“うに”が無条件に可愛くて癒されました♪

ギャップ萌えの塊

笑って、えろかわで、きゅんとして、
これぞ瀬戸うみこ先生の真骨頂といっても過言ではなありません!!

SEの菊池の同期の安藤さんは普段は無表情でシゴデキでロボットみたいなのに、お酒に酔うと泣き虫の甘えん坊になって人格崩壊しちゃいます。

そんな安藤さんのギャップがかわいすぎてもう無理!!
最初こそお酒の勢いみたいに始まってしまった関係ですが、
安藤さんの素顔が見えてくるほどにそのギャップにハマっていっちゃうこと間違いなし♪

無表情の下では実は毎日の菊池との交流を楽しみにしていてたり、一途に想いを抱えていたりと表情豊かな素顔が可愛すぎました。

そして、いつもはエロなんか興味ありませんみたいな堅物なのに、酔った時のエロギャップも凄まじいのです。
あざとく誘惑してくるわ、甘えてくるわ、ぐずくずに蕩けちゃうわでエッチすぎる…!!
酔っている間の記憶がないから録画してくれって発想も斬新すぎて笑いました。

でも、こんなにも乱れておいて翌日何も覚えてないって逆にすごくない?
菊池が心配しすぎて束縛彼氏みたいになってしまうのも共感しかありませんでした。

色々とすれ違ったりしつつ、最後は無事恋が実ってバカップルと化す二人ですが、これってここでおしまいなのでしょうか?
ナンバリングはされてないけれど…恋人編も読みたいなぁ♪

NTRはNTRでも

NTRと聞いて興味を惹かれることはあまりない。
ストーリーにもよるけれど、基本浮気設定になることが多いのだろうし、
誰かが幸せになる代わりに誰かが悲しむのもな〜と。

ただ、本作においてはNTRもアリかも。
むしろ、早く寝取られてしまえとすら思えてしまう。


大学生の真琴には恋人がいるのだけれど、
近頃その恋人・亮平がそっけなく…というはじまり。

亮平の友人である先輩の優季に相談しようとするも、
ある飲み会の夜に優季から触れられます。

真琴がどんなに尽くそうと冷たい亮平と、
恋人でもないのにいつも優しく見守ってくれる優季。
そんなの優季の方がいいに決まってるのです。

徐々にエスカレートしてゆく優季との触れ合いに罪悪感を覚えながらも
心も体も流されてゆく真琴。

最後の一線はまだ越えてないけれど、
もういっそ快楽のままに流されてしまえばと思えてしまいます。

次巻に続きますが、亮平の攻めザマァ顔が楽しみです!

40代の純愛

石田と木村の出会いは大学時代で、
それから20年の付き合い。
現在は受け攻め共に40代となった2人。

お付き合いは今も続いているけれど、
一般的な恋人のような関係性とは少々異なり、
「月に一度だけの温泉旅行」をする秘密の関係。

このルールを固く守り、日常ではお酒を飲みに行ったり、
互いの家に行くどころか、メールも電話もなしの徹底ぶり。
それって恋人っていえるの?
大人の距離感?
それにしても恋人というにはドライすぎやしない?と思いきや、
いざ読みすすめてみると、めちゃくちゃ甘いのですこれが!!
40代のおじさんが月1の逢瀬に焦がれてそのために日々を励み、
会えたらすごく嬉しそうにしてんの可愛すぎん??

出会って20年経っても2人の恋心はちっとも色褪せることなく、
むしろ会う度に好き度も増してるように見えるんです。

ただ、あまあまだけにこんなに相思相愛なのに
どうしてこんな付かず離れずな付き合い方なんだろう?と疑問が。
それはおそらくクローゼットゲイである木村のため。
一方の石田はそれほど周囲を気にしている様子はないので、
2人の関係が今後どうなってゆくのかもきっと木村の気持ち次第なんだろうな。

いつ切れてもいいようにというのが木村の言い分ですが、20年これで続いてるならもういい加減覚悟を決めてもいいと思うのですがね。
つかの間のおうちデートもすごく幸せそうだったし、
もう一緒に住んでしまえばいいのにとおもわないでもない。

結局のところ、2人の関係が20年も続いてきたのは
双方の気持ちが変わらなかったのもあるだろうけど、
石田の器の大きさもあるんだろうなと思います。

恋人がいることを周囲に言えず、逢瀬も月1のみ、
しかも温泉旅行先限定ってなかなかの制約。
石田が常識にとらわれずおおらかな性格で、
木村も温泉も大好きというのもあるのでしょうけれど、
それにしたってそれなりに我慢は強いてると思うのです。
だから、そんな我慢をしてでも木村との関係を続けたかったってことで、
今も昔もベタ惚れなんですよね。
なんたって200回を超えた温泉旅行の回数を毎回記念日みたいにカウントし、
旅行後は思い出を噛み締めるように細やかに記録してるのですから。
石田が木村を大好きすぎて見てるこちらが恥ずかしくなっちゃう。
いや、ニヤけちゃう!


まだ続くとのことですが、次巻も2人のほのぼの&あまあま旅行記なのかな?
それとも恋人としての関係に変化が?
今でも温泉に入って美味しいご飯食べて、エッチして、
十分すぎるくらい幸せそうな二人ですが、
ふと2人のこの先を見てみたい気持ちもあって、
何かしらの進展?があるとより嬉しいなぁと
ちょっと期待しております。

不憫で淫乱で、ちょっと破天荒

会社員の大和は出会いを求めて訪れたゲイバーで
美しく、どこか世間離れした蒼葉と出会います。

初対面で「お前のち●こに惚れた」とホテルに連れ込まれ、
流されるままに一夜を共にすることに。

翌朝、蒼葉と別れた大和ですが、
彼のことが忘れられずもう一度会いたいと思っていたところ、
一月後、仕事で訪れた離島で偶然再会を果たします。

今度こそ、蒼葉を手放したくないと気持ちを伝え、
離島に留まる間の3か月間、お試し恋人として付き合うことに。

それからも暇さえあればセックスを求めてくる蒼葉。
恋人として蒼葉に誠実であろうとする大和ですが、
気持ちの繋がりを重視する彼と身体の繋がりを重視する蒼葉とで
いまいちすれ違っているように感じられるのがもどかしい。

大和に対して好意的であることはわかるのに、
年齢にしてはどこか幼げで相手の深い部分までは踏み入ろうとせず、
一線を引いているように見えてしまう蒼葉。
彼がセックス依存のようになっているのにも何か理由が…?

後半で蒼葉の過去が明かされることで理由は判明しますが、
想像していたよりも遥かに重かった…。
何ともないように振舞っている蒼葉ですが、
当時の彼を思い返すと不憫でなりません。

性虐待や近親相姦(義理ではありますが)など、地雷のある方はご注意を。

過去の傷は未だに癒えることなく、蒼葉を苦しめていたのでした。
けれど、誰もその傷には気付かずに、興味を抱くのは蒼葉の外見や身体ばかり。
それゆえに刹那的な交わりを繰り返してきた蒼葉でしたが、
そんな彼の内面に初めて踏み込んできたのが大和でした。

蒼葉のことを知りたがり、蒼葉を一人の人間として大切にしてくれた大和。
一度は大和を拒んだ蒼葉でしたが、
そんな彼だからこそ切り捨てることはできませんでした。

どんなにひどい態度をとっても、それでも自分を見捨てずに
向き合い続けてくれた大和の救いの手をとった蒼葉。

蒼葉の破天荒な姿をみようが、突き放されようが、
蒼葉を一途に想い続けた大和の優しさが沁み渡ります。
これまでの人生、辛いことばかりだった蒼葉ですが、
最後の最後は大和に出会えて、本当によかった。

今も蒼葉の深い傷は消えないけれど、
それでも離れることができなかった島を出て、
大和と前を向き歩みだすラストは余韻を残します。


読み終えてふと思い浮かんだのが蒼葉の義父のことでした。
蒼葉の人生を狂わせた元凶でもある義父ですが、
結局奴に鉄槌が下される描写はなく、それだけが心残りでした。
もしかして、もうとっくにどこかで野垂れ死んでいるとか?
和解も許しもなくていいけれど、願わくば奴に罰が当たり、
自分が蒼葉にしたことを悔やんでいてくれればいいなと思います。

春霞に染まる コミック

相田史 

恋に救われて

恋人から裏切られて吹っ切れないままに過ごしてきた男が
突然現れた年下ワンコに救われてゆくお話。

ストーリーはそんなわかりやすい説明ができてしまう王道なのですが、
言葉少なな登場人物たちの表情や選び抜かれた単語の一つ一つまで、
丁寧で繊細な印象を受けました。

物語の舞台は地方都市。
美大生の佐良は休学をきっかけに地元に戻ってきますが、
そこで古本屋の店主の直江に一目惚れします。

大学では染色を専攻していた佐良は彼のために着物を染めたいと思い、
直江の元に自分の染めた着物を着てくれるよう頼み込みに行きますが
すげなくあしらわれてしまいます。

それでも諦めずに直江の元へ通い続けるうち、
言葉を交わすようになり、彼の選んだ本を読むようになり、
少しずつ距離を縮めてゆきます。

けれど、一線は引いたまま。

そんなある日、直江がいつも着ている着物が
過去の恋人から贈られたものだと知ります。
そして、その恋人が直江を裏切ったことも。

どこか昏い影を纏う直江とは裏腹に
何度断られようと、そっけなくされようと、
古書店に通い、直江に言葉をかけ続けた佐良の一途さが眩しい。

はっきりと言葉で語られることはなかったけれど、
同性愛者である直江の過去は虐げられ、拒絶され、
極めつけは恋人にも裏切られ、幸せとは言い難いものでした。

だからこそ、太陽みたいに明るく、優しい佐良は
そんな直江を幸せにするためにやってきてくたのでは、と思えてなりません。

最後は佐良の染めた着物を纏い、静かに微笑む直江が幸せそうで
なんだか涙が出そうになりました。
二人がこの先も何度も一緒に桜を見ることができますように。


あと、余談ですが、無精ひげを蓄えているせいか、
直江って結構おじさんなのかなぁと思っていたら、
あとがきで二人の年齢差が6歳程度と知ってちょっと意外でした。


エロは直接的な描写はなく、しっとり匂わせるのみに留まっております。
作風的にも濃厚なエロとかは馴染まない気もしますし、
直江のそこはかとなく漂う艶色だけでもう十分。