前巻、デザイナーを目指す千明は夜間に通う服飾学校で
同級生兼憧れのモデル・アイと出会い、
紆余曲折の末に恋人同士になりました。
今回はそんな二人の恋人編ということで蜜月の如く終始甘々でした♡
また、二人のイチャイチャだけではなく、ファッションに情熱を注ぐ
二人のデザイナーとしての成長も描かれています。
文化祭でショーに参加したいと意気込む千明とアイでしたが
同級生の三木と凛の二人組から誘われ一緒に服作りをすることに。
前巻では二人きりの世界だったのが登場人物が増えることで
ストーリーも深みを増して読み応えを感じました。
三木と凛と組んだことで新たな刺激を受ける千明でしたが、
同時に凛がアイに向ける視線も気になってしまうように。
一方のアイも三木と千明の距離感にピリついてしまったり、と
好きすぎるがゆえに互いに嫉妬し合ってしまう二人がバカップルすぎて
ニヤけてしまいました。
この続編は1巻とナンバリングされているように今巻では完結していません。
三木の恋人など新たな人間関係を匂わせて次巻へ続きます!
ほんのり甘ったるくて、可愛いアオハルBL。
高校生の柊木は同級生の春日光希に密かに片想い中。
優等生で人気者の柊木と、派手で無愛想な光希。
タイプの違う二人でしたが、ひょんなことから距離を縮めてゆき…。
パッと見はクールでちょっと悪そうな光希ですが、
その実人見知りで感情表現が下手くそなだけだったりします。
ただ、懐くと甘えたな本性がでてきて、その上天然なので
やたら距離が近くてベッタリくっついてきたり、
恥じらいながら思わせぶりな発言をしてきたり、
かわいいギャップがてんこ盛りなのでした。
ある日、光希の可愛さに好きが溢れてしまった柊木は
光希にキスしてしまいそうになり…。
ずっと近づきたかった光希と友達になれて嬉しいはずなのに、
いざ友達として満たされてしまうとそれ以上が欲しくなってしまった。
そんな柊木の葛藤が初々しくてもどかしくて、
光希が早く振り向いてくれればいいのになぁと思わずにはいられませんでした。
とは言え、光希という男はなかなかの天然でしてー。
柊木からキスされかけて引かないのは良かったのだけれど、
その後も柊木に対する態度はそれまでとちっとも変わらず。
柊木の気持ちに気付いたんじゃないの?一体何を考えてるの?
その斜め上な発言や態度に読者もまた翻弄されてしまうのでした。
柊木に言い寄る女の子にヤキモチ焼いちゃったり、
絶対柊木のことが好きなはずなのに無自覚な光希に
じれもだしっぱなしでした。
だけど、拗れつつもラストはなんとか両想いに。
本編はそこで終えてしまっているので
恋人同士になってからの2人も見てみたいなぁ。
恥じらう光希に、彼氏になってこれでもかというくらいに
光希を溺愛しちゃう柊木とか…スイートな脳内妄想が尽きません。
上巻から引き続き。
大企業の御曹司・黛椎名のお目付け役に選ばれたことで
名家の子息が通う全寮制男子高校に転校させられ、
そこで一見暴君で本当は孤独な青年・椎名に出会った燕。
最初の内は燕に反発していた椎名でしたが、
いつでも一生懸命でどれだけ突き放しても自分にまっすぐに
向かってくる燕に少しずつ絆されていった椎名。
この下巻ではすっかり燕に心を許してしまっている椎名でしたが、
燕がこの全寮制高校にやってきたのにはある目的がありました。
実は出会う前から椎名のことを知っていた燕。
幼いうちに両親を失った燕でしたが、
その当時母の家庭教師の生徒だったのが椎名だったのでした。
密かな復讐を果たすため椎名に近づいた燕。
けれど、気付いたときには椎名も燕も
お互いを愛おしく感じるようになっていました。
後継者として望まれているのに父親には見向きもされず、
孤独な椎名を救い出すために燕は彼を連れて学校を飛び出し…
全寮制高校という名の鳥籠から逃げ出した二人の1日限りの逃避行。
初めての買い食いに、ゲーセン、外泊…
たった1日だけれども、それは二人にとって一生に一度の特別な1日でした。
その後、連れ戻され引き離されることをわかっているからこそ、
楽しそうに笑い、愛おしそうに抱き合う二人が、その瞬間が、
尊いものに感じられました。
翌日、学校に連れ戻された二人は離れ離れに。
当初の目的通りに母親の遺品も取り戻した燕でしたが、
椎名のいない学園生活は彼にとってもはや何の意味もなく、
全寮制高校から再び元の学校へ戻ってゆくのでした。
それから10年の時を経てー
大人になった燕はある雑誌記事で椎名の姿を見つけます。
けれど、それは燕が当初思い描いていた椎名とは違う姿でした。
将来の夢もわからないという椎名に、燕が見出した“絵を描く”という未来。
そんな椎名に少しでも近づきたいと芸術誌を扱う
小さな出版社で働いていた燕はある日、椎名と再会を果たします。
大人びてはいるけれど、変わらない椎名に押し込めていた感情がぶり返す燕。
椎名もまた時折何か言いたげにしているものの核心には触れてこず、
もう大人になってしまった二人は別の道を歩むしかないのか…?と
切なさに胸を締め付けられました。
けれど、燕の「待って」という一言で二人は昔に引き戻され…
椎名への想いを諦めきることができなかった燕。
いつも我慢ばかりで自分の感情を抑え込んできた燕が
初めて自らの願いで椎名に手を伸ばすこのシーン、ぐっときてしまいました。
そうして、10年の空白を経てようやく結ばれた二人。
ずっと大人びた表情をしていたけれど、
一度蓋が開いたらしまい込んできた感情を溢れ出させるみたいに燕を求め、
燕への愛を囁く椎名にやっぱり彼も忘れられなかったんだな…と
感慨深いものがありました。
だけど、本音を言えば椎名からも手を伸ばして欲しかったな…と。
高校時代もそうだけど、いつだって燕の行動に流されるばかりだった
椎名だからこそ、彼が必死になって燕を求める姿が見てみたかった…。
描き下ろしでは再会から2年後、椎名が日本に戻ってきて
燕と一緒に暮らし始めるエピソードが描かれていて、
長い時間を経て一緒になれた二人に多幸感を噛みしめました。
平凡な高校生の燕はある日、亡くなった両親が働いていた
会社の御曹司・黛椎名のお目付け役として雇われ、
名家の子息が集う全寮制の男子高校に転校することに。
けれど、当の椎名は無気力で学校もサボり常習犯。
そんな彼を更生させるために奔走する燕でしたが、
彼を疎む椎名とその取り巻きたちに襲われてしまい…。
閉鎖的で陰湿で、これぞパブリックスクール感というか、
全寮制ものの醍醐味ですよね。
それでも周囲の悪意に押しつぶされまいと気丈に振舞る燕が不憫で健気で、
負けるな!と応援したくなり、同時に庇護欲もそそられます。
椎名もまたそんな燕のひたむきさに絆されたのか、
その一件以来椎名の燕への態度が緩和し、優しさを感じるように。
はじめは燕を追い出そうとしていた椎名ですが、
じわじわと燕に依存してゆきます。
一方、最初は仕事として椎名のお目付け役に徹していた燕も
時折椎名が見せる寂しそうな表情に心惹かれてゆきます。
とは言え、半ば強制的に学校を転校までさせられたにしては
面倒くさい御曹司の世話も積極的に焼き、
初めてにもかかわらずすんなり体も許してしまうし、
燕の順応力高すぎでは…?と微かな違和感を感じていたのですが、
上巻ラストで明かされたその真相で全て合点がいきました。
自分の役目にまっしぐらで純粋に見えていた燕の内に潜む
復讐心にドキっとしてしまいました。
すっかり燕に心を許した椎名がそれを知ってしまったとき、
一体どんな表情をするのだろう…?
切ない予感がよぎりつつ、下巻へ。
片想い、しんど……!!
片想い相手がまた誰かに片想い…と
地獄のような片想いの連鎖に息苦しさを感じながらも
最後まで見届けずにはいられませんでした。
大学生の文哉は幼馴染みの海斗にずっと片想いをしています。
けれど、当の海斗は筋金入りのヤリチンで誰とも恋愛はしない主義。
叶わぬ恋は切ないけれど、海斗が誰かのものになることはなく、
せめて親友として隣にいられることに安心していた文哉ですが、
ある日、海斗が友人の諒に片想いしていることを悟ってしまい…。
文哉に片想いする有島(カフェの常連客)。
海斗に片想いする文哉。
諒に片想いする海斗。
一花(文哉と海斗の幼馴染み)に片想いする諒。
…とこの狭い空間の中に片想いが一極集中しているのです。
しかも、誰一人として両片想いではないところがまた切ない予感しかしない。
海斗の片想いを知ってショックを受けながらも
自分の想いを告げることもできずにいた文哉でしたが、
偶然海斗に自分の恋心を知られてしまいます。
このときの海斗の反応がまたどクズ極まれりでして。
確かに海斗自身も親友だと信じていた相手から
恋愛対象に見られていたショックはあったのかもしれないけれど、
海斗の発言には文哉の片想いへの思いやりは微塵も感じられず、
むしろ文哉の気持ちを踏みにじってくる始末。
その後も文哉とこれまで通り傍にいたいからなんて
安易な発想からお付き合いの提案をしてきた海斗。
だけど、今までまともな恋愛をしてきたことはなく、
文哉に対してもそもそも恋愛感情すら抱いていないわけで、
当然上手くいくはずもなくわずか3ヶ月ばかりで破局に。
気持ちもないくせに無理して良い彼氏みたいに振舞って、
だけど無自覚な独占欲だけは一人前で、
喧嘩の末にやっつけ仕事みたいにエッチになだれ込むも
文哉を前にして「おれやっぱり誰とでもできんだな」なんて…
仮にも「俺はお前がいい」とずっと想ってくれていた相手に言うか?
もう………クズにも程がある。
しかも、その言葉に泣き出した文哉に「ごめん…痛くした?」って
傷つけた自覚すらないのがほんとどうしようもねぇなこのクズ男はよ…。
その後も散々文哉の気持ちを蔑ろにしたくせに被害者面して凹み、
有島と文哉が付き合ってると思い込んで当てつけみたいに
即効セフレの所に駆け込んで快楽に逃げようとするし…
ちっとも報われない文哉が不憫すぎて泣けてきちゃいました。
ただ、恋人としては最悪な海斗ですが、親友としては誠実でした。
両親が不倫し合うという最低な家庭環境から恋愛不信に陥り、
それゆえに海斗にとっての恋愛はいつか終わってしまうもので、
友情だけは終わらないものでした。
だからこそ、文哉とは恋人ではなく友達のままでいたいと望んだ海斗。
ヤリチンだし、無神経だし、傲慢な男ではありますが、
見方によっては誰よりも純粋だったのかもしれません。
文哉との別れだっててっきりノーダメージと思いきや、
意外にも失恋を引きずってしっかり打ちのめされちゃっていて、
文哉を失った寂しさから路上で子供みたいに泣きわめく場面では
攻めザマァと思いつつも、うっかり絆されちゃいそうでした。
海斗は人の気持ちに鈍感で無自覚に傷つけるし最低だけれど、
愛が何かを知らないだけで、それが何かを理解はできるんです。
だから、一花に友情と恋愛の違いを諭されて文哉への自分の気持ちが
愛だと気付けたし、愛を知ってしまえば文哉だけを愛する一途攻めに
変貌を遂げています。
手を繋ぎ、キスをするだけで緊張したり幸せを噛みしめたり、
ピュアというか…童貞返りしちゃっている海斗が可愛く見えてしまいました。
海斗はまだ恋も愛もわからないと言うけれど、
キス一つでドキドキしちゃうなんてもうそれ以外思い当たらないのになぁと
思いながら読み終えました。
ラストは文哉に片想いしていた有島さんの切ないシーンで締め括られます。
大人の包容力で文哉の恋を見守り、背中を押してくれた有島さん。
結果的に文哉は彼を選ばなかったけれど、
前半までの海斗のままなら絶対有島さんルートを推してました。
描き下ろしは3年後の海斗と文哉が描かれていて、
本編の切なかった分を糖分で満たしてくれるかのような
イチャイチャが爆発している2人の後日談でした。
文哉への気持ちが恋なのか迷っていたことが嘘みたいに
溺愛モードな海斗に表情筋がゆるゆるになりました♪
今巻も優しい空気にほっとしたり、泣きそうになったり、
三田織先生が紡がれる温かな世界観に浸らせていただきました。
ストーリーは前巻からのつづきで、
春になったら二人暮らしをしようと約束していた豊と穣。
けれど、穣が出ていくことを知った弟の種が
「にいちゃんいなくならないで」と泣き出してしまい…。
ああ、こういう子供の涙、ほんと辛い…。
穣と種の絆の強さを知っているからこそ、
離れ離れになってしまうことが種にとって
どれ程悲しいことかわかってしまって辛いのです。
そんな種の涙に二人暮らし計画も保留になってしまいます。
その後も豊の大学時代の同級生の神崎の登場により
穣が嫉妬してしまったり、小さいながらも問題が勃発しています。
穣の不安から2人がプチ喧嘩みたいになってしまう場面では
珍しく豊が怒ってしまって息苦しくなってしまったりも。
けれど、ちょっとしたことをきっかけに仲直りできてしまうのも
そのきっかけがごはん関連というのもこの2人らしくて微笑ましかったです。
そして、タイトルにふさわしく、今巻でも
キャンプ飯やおうちごはん、ローストビーフに手作りピザなどなど、
おいしそうなごはんもいっぱいで就寝前に読んでしまうと危険でした。
今巻のラストでは穣の就職が決まり、職場の研修のために穣が
豊や種たちに見送られながら九州に旅立ってしまうところでおわりです。
まだ続くのかな?
これで完結でもおかしくはないけれど、できれば穣が帰ってきて
無事社会人になって豊と穣が念願の二人暮らしをするところも見てみたいなぁ。
小学生になってランドセルを背負った種くんも見てみたい!
多忙な両親の代わりに幼い弟・朔斗の世話をしているαの中学生・綾人は
ある日、公園で年上のΩの青年・稔に出会います。
偶然にも稔の友人の息子と朔斗が同じ保育園に通っていることが判明し、
以来稔の働くカフェに通い、距離を縮めてゆく稔と綾人。
本作、オメガバース作品ですが、意外にもラブやエロはありません。
ほぼ子育て(幼い弟や友人の子供たち)に癒されておりました。
綾人と稔の年齢差がそこそこあって、
(おそらく将来的に攻めの)綾人がまだ中学2年生ということもあり、
恋愛要素についてはまだ芽生えの段階でした。
綾人も稔もお互いに特別な感情を抱いているのは感じられるものの、
それよりもまだそれぞれαとΩであることに対する葛藤などから
自らの第二性を受け容れられていない状態で恋愛どころではないのです。
もしかしたらまだ自覚も出来ていないのかも?
子供たちの交流を通じて逢瀬を重ねてゆく中でお互いの悩みを知り、
理解し合い、ようやくスタート地点に立ったという感じでした。
ボーイズたちがほぼラブしていないので、
恋愛ありきという方にはあまり刺さらないかもしれません。
ただ、子供たちがとにかく可愛くて、愛おしくて堪りません。
まだ活舌が拙い幼児2人がお互いに大好きが溢れまくっていて
ぎゅーってしたり、ほっぺプニプニしてたり、
無邪気に戯れる光景に疲れた心が解きほぐされること間違いなしです。
個人的には子供たちが愛らしくて心和まされまくって、
最終的にはラブなしでも全然ありだなと思えました。
まだ恋愛には至っていないけれど、綾人や稔の性別も年齢も越えて
苦しみを分かち合う二人の関係性はとても純粋な結びつきが感じられて
年月を重ねてゆく中でいつの日か純愛に変化してゆくのだろうなと
予感させるものがありました。
成長した綾人と稔の後日談が気になりすぎるので、
できれば番外編とかで見られたら死ぬほど嬉しいです。
安定しつつ、日々進歩。
2巻から少々間が空いていたので、
なんとなく完結していたのかな…と思っていたら
3巻が出たので嬉しびっくりでした。
もうこうなったら永遠に続いて欲しい。
今回も相も変わらず総一にベタ惚れな悠次と、
普段はクールだけど油断していると突然ご褒美デレを投下してくる
総一の安定イチャあまライフにニマニマほっこりさせられっぱなしでした。
互いに忙しさからすれ違ったりもありますが、
最後はちゃんと糖分を摂取させてくれるから本当に助かります。
どちらかというと悠次の方が愛が重く見えるけれど、
総一も悠次と触れ合えない時間に寂しさを募らせていたり、
ちゃんと彼なりに悠次を愛しているのが伝わってきてよかったです。
熟年夫婦のようにのんびりしているかと思ったら、
突如情熱的に求め合って愛し合っちゃったり、
そんな緩急具合にほっこりしたり、
ぎゅんとさせられちゃったりしておりました。
(いい意味で)何も変わらないようにも見える二人ですが、
前巻に引き続き、まだ互いの家族へのカミングアウトまでは
できていないけれど、ずっと悠次の唯一の相談相手でいてくれた
叔父には二人の関係を明かせたり、と二人の関係がさらに一歩
深まる一面もありました。
そして、今回は長らく正座待機状態であった
倉賀野と猫原の進展エピソードも描かれておりました。
前巻での倉賀野の告白に返事は一旦保留にしていた猫原。
けれど、その後も休日を一緒に過ごしたり関係も着実に深めていたようで
ようやく倉賀野と恋人同士になる決心がつきます。
グイグイ押しはするものの、いつも猫原の気持ちを尊重して
一途に想い続けてきた倉賀野の恋が叶って私も嬉しかったです…!
ずっと猫原から恋愛相談を受けていた総一もナイスフォロー!
悠次と総一に、倉賀野と猫原…とさらに多幸感度増し増しな1冊でした。
ちなみにまだシリーズは続くようなので、次巻も気長にお待ちしております♪
本作がデビュー作とのことですが、
そうとは思えない綺麗で安定した絵&自然なストーリー展開でした。
既に次作が楽しみで仕方ありません!
近頃アルバイト先の後輩の有川の態度が気になっている槙野。
目を合わせれば逸らされ、話しかけてもどうにもぎこちなく、
有川の一挙一動に凹んでいた槙野でしたが、
ボランティアで家を空ける有川のペットのインコを預かることになり…。
インコのリップの可愛さにメロメロに癒されてしまう槙野ですが、
ある日、リップが突然「マキノサン スキダ アーカワイ」と喋りだします。
その人懐こさと愛らしさにキュンキュンきてしまうのですが、
もちろんリップの槙野への愛の告白、というのではありません。
槙野の悩みとは裏腹に実は口下手なだけで槙野のことが好きな有川ですが、
自宅で槙野を想いながら自慰に耽っているときに漏れ出た愛の囁きを
リップに聞かれ、しっかりと覚えられてしまっていたのでした。
リップの可愛らしい告白に微笑ましさが溢れる槙野でしたが、
当の有川のその出来事を聞かされたときの絶望顔よ…!
天国から地獄へ落ちたかのような表情を浮かべる有川の隣で
「マキノサン スキダ アーカワイ」を陽気に連呼しまくるリップに
笑いが込み上げつつも有川が気の毒でもう止めてあげて…!!と
思わずにいられませんでした笑
リップのマキノサンスキダ暴露事件以来、
再び有川から避けられてしまうようになる槙野でしたが、
そんな二人を取り持ってくれたのもやっぱりリップの存在でした。
母親から植え付けられたトラウマのせいで
他人と距離を縮めることに臆病になっていた有川なので、
リップがいなければ二人の恋が成就することはなかったのかもしれません。
はじめはちょっと有川が不憫でしたが、リップがいてくれてよかった…!
元々有川のことが気になっていた槙野なので、
気持ちが通じ合った後は恋人同士になり、二人の仲も自然に進展してゆきます。
キスをして、デートをして、その先に進んでゆく二人。
ただ、ここでちょっと気になったのがこの2人って
元々の恋愛対象が同性なのかな?ということでした。
お互いにあまりに自然と惹かれ合い、
同性の恋人にも同性同士のセックスも滞りなく…
だけど、槙野の「初めて」発言があったので、
それなのにこの抵抗感のなさ?と思ったら、
著者様のインタビューを読んで納得でした。
ページ数の関係で描写がなかっただけで、
実はちゃんとエッチ前にはワタワタしていた模様。
恋模様はピュアな二人でしたがエッチは意外にもエロエロで、
普段はヘタレな有川の執着の片鱗が垣間見れるねちっこい攻めっぷりが
ギャップ萌えでした///
微笑ましいや優しいという言葉がぴったりな癒しの1冊でした。
ストーリー構成が上手でとてもきれいに完結していたのですが、
有川と槙野が好きになってしまったのでまたどこかでこの二人の
後日談なかも見れたら嬉しいです♪
一途で健気で、愛が暴走しがちな陰キャ男子と
誰にも言えない秘密を抱えるワケありイケメンの
笑いあり、秘密あり、切なさありの迷走純愛ラブコメでした~!
目つきの悪さがコンプレックスでコミュ障の大学生・人見はある日、
オープンキャンパスでやってきていた高校生の茅ケ崎に一目惚れ。
それから2年後-
大学を卒業したものの未だに就職できないでいた人見は
諦めきれなかった想い人の茅ケ崎が自分が通っていた
大学に入学したことを知り、サークルの新歓に潜り込むことに。
酔った茅ケ崎にリスカ痕を“イカ焼き”と勘違いされて噛みつかれ、
なぜかそのまま自宅に連れ込み一夜を過ごすことに。
一途で健気な人見ですが、陰キャを極めすぎたゆえか、
その努力の方向性がちょっと斜め上で終始笑わされっぱなしでした。
茅ケ崎に対しても積極的なのか、ただの盲目なのか…
とてもコミュ障とは思えない謎の行動力から目が離せませんでした。
はじめはそんな人見にただただドン引きするばかりの茅ケ崎でしたが、
彼の純粋さや予想外の行動力に絆されてゆき、
気付けば人見に愛しさを感じていた茅ケ崎。
バイト先の店長から暴言&暴力を受けていた人見を庇い、
茅ケ崎がキレ散らかすシーンは人見への無自覚な愛や
ずっと抑圧してきた茅ケ崎の素顔が露わになっていて
はじめて本当の意味で茅ケ崎が魅力的に見えたシーンでした。
そこからはもう人見への気持ちを認めざるを得ず、
潔く観念して人見を溺愛してくれる茅ケ崎の豹変ぶりに
キュンときてしまいました。
ずっと努力を重ね続けてきた人見の片想いがようやく実ってよかった!
最後の最後は実は二人がすれ違っていたことが判明します。
まさかの2年前からの両片想い発覚に嬉しい驚きでした♪