私はこの作品に出会うまでSMモノやレイプものは苦手でした。暴力を愛で片付けてしまう攻めが好きじゃないというのが大きな理由です。
この作品は愛と暴力のバランスが絶妙。いや、バランスではなくコンビネーションの方が適切でしょうか。しかも、ページが進むにつれ二人の愛が深まっていくのが伝わってきます。
関係性の進展としては早いのですが、それに違和感を感じさせないのがたなとさんの力量だと思います。読者をのめり込ませる登場人物たちの感情の表現が素晴らしいです。しかも、それをモノローグとして語るのではなく、一つひとつの言動から感じさせるのがいい。
続編も満足度が高い作品になっているので、ぜひ読んでみてください。