3本のストーリー収録のこの単行本ですが、特に表題作の「愛だの恋だの」が良かったです。
それまであまり親密でなかった二人ですが、彼女にフラれた樋乃(攻:茶髪)を野波(受:黒髪)が慰めるうち、野波の優しさに懐いていく樋乃。
野波のことを知れば知るほど好きになっていく樋乃の気持ちが、帯にもありますが
「お前ん中、入れてくれよ」
に集約されている気がします。
野波の優しさに甘えて、その彼の優しさに甘えたい気持ちと、でも甘えきってしまっては駄目だと、二つの気持ちのせめぎ合いの中で搾り出したのかと思うと、本当……切ない可愛い……。
そしてその後の話となる二話目では、「他人との付き合い」が上手く思い描けない野波のお話。
樋乃と自分の鼓動の音が重ならないだとか、セックスに乱れる自分をえげつないと評したりだとか……。
過去に彼女から別れ際言われた言葉が思い出せず、そのせいでテンプレ通りの恋ができないんじゃないかと不安になる野波。
けれどそんな野波の恋への不安を「簡単なことじゃんかぁ」と笑って抱きしめてくれる樋乃。
もうほんと可愛かったです……(´∀`)
あとは、「千の夜」と「コイトキンギョ」が収録されていますが、こちらはそれ程萌えませんでした……残念……。
千の夜は二話分使った割には表現不足というか、攻め視点のお話なのですが、切なさや痛々しさにそれほど共感できませんでした。
始終、「え、なぜ……?」と思う行動ばかりというか……(´・ω・`)
「コイトキンギョ」は普通に可愛いし萌えるんですが、表題作を読んだあとだと物足りないかんじ。
やはり、表題作が一番良かったです。
描きおろしでも、表題作が見たかった……。という気持ちから、この評価です。
短編すべてが何処か繋がっているオムニバス形式の作品。
それぞれにちゃんとエロもあります。阿仁谷先生のエロは本当いつ見ても可愛いしエロいし最高ですね……。
そしてストーリーですが。
何と言ってもドラ×要一カプがもう最高すぎてたまりません!
手慣れたフリをする要一の大人の意地とかプライドとか、そういうものを愛で突き崩す年下童顔童貞ドラが格好良すぎて、読み終わったらもう可愛いとか言えなくなります……。
そして要一はBちゃんに扮してる時なんかの、あの三枚目キャラが崩された瞬間に見せる表情が可愛すぎて可愛すぎて……。
この二人の話が男子迷路短編の中ではやっぱり最高かなぁ。
何よりオネェ受け大好きな私としては、そう結論づけるしかありませんでした。
今後の二人のストーリーもちょろちょろ出てますし、そちらも大変美味しいので是非読んでいただきたい……。