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いろいろなものが詰まっている

僕もようやくこの純情ロマンチカを読み始めました。

この純情ロマンチカの1巻だけをまず読んだのですが、この1冊にものすごくいろいろなものが詰まっていると感じました。

身代わり、嫉妬、プライド、素直になれない、羞恥心、独占欲などなど、人の感情がこれほど多岐にわたって描かれているというのがすごいなぁと思いました。
さすが、BLを代表する作品ですね。

純情ロマンチカという題名ですが、この1巻の中身は純情ロマンチカと純情エゴイストという作品です。
そして、この二つの作品が微妙にリンクしているのが良いですね。
この先、このリンクがどういう展開になっていくのかも楽しみです。

僕がこの1巻で一番印象に残ったのは、純情エゴイストの中でプライドの高い弘樹が花屋の店員の野分を喫茶店から見張っているという場面です。

男の僕でも、「あぁ、分かるなぁ~」と思いました。
自分も、もしものすごく愛おしいと思う人がいれば、気になってその人を監視(語弊があるかもしれない)しに行ってしまいそうな気がします。
ただ、おそらくほとんどの人がそういうストーカー気質を少なからず持っていて、それをうまく作品の中に表現しているのがこの作品だと思います。
つまり、自分の心の奥底にある欲望を、自分の代わりに作品中のキャラクターがしてくれているというのが、キャラクターや作品に対する愛着だとか同情のような気分を引き立たせているのではないかと僕は思います。

内容的にとても厚みがあるので、そりゃ1巻だけで終わる作品じゃありませんね。
そして、とても人気がある作品だというのがこの1巻を読んだだけでよく理解できました。

とっとと次を読まないと。

OH! Myメイド コミック

樹要 

健気なショタ

このコミックは大きく二つの作品に分かれます。

OH! MyメイドからOH! Myドクターリターンまでの舞台は同じで、その中に出てくるいろいろなキャラクターにスポットが当たるオムニバス。
基本的に主人とメイドのお話。

きみといる魔法は、OH! Myメイドとはまったく別の作品ですが、なんとなく同じ舞台の話のように錯覚しました。
魔法が出てくるファンタジーです。

このコミックで初めて僕はショタという作品を読むことになりました。
年少の男子というのは、男っぽさがあまりなく、女性っぽく見て取れるという点で、男性にも読みやすい作品かもしれません。
僕もすらすら読めてしまいました。

作品中では、年少の男子が主人などの年長の男子に対して気を引こうとしてがんばる様がとても健気で、かわいらしく思いました。

一つの話ごとに必ず絡みのシーンが入っているので、絡みを好む人にとっては期待できる内容だと思います。

ショタでメイドでツンデレが好きな方にはオススメだと思います。

本編と関係ないですが、このカルト・コミックスで使っている紙は、ほかのコミックスに比べて硬めなので、少し読みにくいかもしれません。

満月物語 コミック

中村春菊 

中村春菊の歴史書

この満月物語は、2001年にZERO COMICSから出版されていて、その再録がこのコミックのようです。

物語は、平安時代の貴族のお話。
藤原隆明や藤原成人やかぐや姫(笑)などの登場人物が織り成す痛快時代劇(?)。

僕としては、こういう時代物を読むのは、おそらく初体験だったので、少し抵抗がありましたが、そんなことはお構いなしで、一気に読めて、かつ面白かったです。

最初に謎を振っておいて、徐々にその謎が明らかになる物語の流れは読者を飽きさせませんね。
シリアスな場面もあれば、ドタバタコメディーもあったりとメリハリの利いた展開はいっそう読者をひきつけると思いました。

この満月物語は、BLコミックの範疇ということなんですが、いっさい男同士の絡みは出てきやしません。
絡みゼロです。
ですから、攻めや受けという区別はなく(僕は、隆明が攻めで成人とかぐや姫が受けだと思いました)、そういったものを求める読者にとっては物足りなさを感じるかもしれません。

でも、物語としては最高に面白いです。

どこか純情ロマンチカに通ずる源流を感じたのは、僕だけではないだろうと思いました。

7割はギャグ

ドラマチック・マエストロの本編と、短編として「愛あるしつけが大切です」という作品が入っています。

僕が今まで読んできた作品の中で一番ギャグが盛り込まれている作品だと思いました。
真面目なシーンになるのかな…と読み進めていくと、ギャグで締めくくられていたりします。
一見、コロコロコミックを読んでいるのか?と錯覚するくらい砕けた内容です。
ですから、恋とは?愛とは?などと深く物事を追究する姿勢というものはほとんどなく、笑いで気分を和ませてくれるようなマンガだと思いました。

おそらく、この作品は賛否が分かれるものだと思います。
この作品の波長が合う人は、楽しく読むことができると思いますが、このノリについていけない人も多いと思います。

僕はちょっと苦手かな…。

短編の「愛あるしつけが大切です」の方が、ギャグは少なめです。

大人の男を描く

このどうせ、恋だから。は、主人公の和とカフェ店主の英菜の物語、そして和の兄である恵とストーカー学野の物語の二つのお話です。

和×英菜の物語は、年下の和が攻めるお話。
というか、年上の英菜がちょっと弱腰な感じのお話と言ったほうがよいかもしれません。
嫉妬や不安など、お互いの相手に対する感情がこと細かく表現されていると思います。

学野×恵の物語は、ちょっとサスペンスチックなお話。
ストーカーの学野が恵に迫る感じが、なんだか興味をそそります。
そして、物語の結末が…実際にどうせ、恋だから。を読んで確かめてください。

このほかにラブ・バズーカという短編が入っています。
看護師の穂積と弟の友達である隼人の物語。
これはこれで、健気さが出ていて、なかなか良いです。

全体としては、春日直加さんのキャラクターの描き方に大人っぽさを感じます。
今まで僕が読んできたBLの中では、大人の男っぽさが出ていると思います。

そして、絡みはなかなか濃厚で激しいです。
局部がもろに出てしまっていて、ちょっと読んでいて恥ずかしかったです。
絡み重視をご所望の方には良い作品かもしれません。

スーツだらけ

ブルボン以外、スーツ系のサラリーマンのお話なので、スーツが大好きという人にはうってつけでしょう。

一部、猫耳の作品が入ってます。

このコミックの題名にもなっている「通り抜けできません」の攻めと受けは、どっちがどっちなのかちょっとわかりかねます。
一応僕は、攻め後藤・受け石井というふうにしましたが、これは読み手の判断にゆだねられるものだと思います。
おそらく、ほぼ対等な関係だと思います。

「通り抜けできません」も良い作品だと思いますが、僕はどちらかというと「秋になれば君は」「冬を愛する人ひと」「春を待つ頃」の三部作のほうが好みです。
男に興味がない永田が、先輩の藍谷に対して興味を持つようになる流れがとても良く、題名にもなっている季節の移り変わりがうまくその恋の移り変わりとマッチしていて、感動すらおぼえます。

コミック全体として、絡みはあまり多くないですが、とても快い気分になれる作品だと思いました。

BLのイメージが変わった

僕がBLをイメージするに、もっと濃厚な絡みのシーンがあるものだと思っていました。
が、この作品は違います。
ほとんどそんなシーンはありません。
物語の展開を楽しむものであります。

僕はBLを濃厚な性愛というイメージを描いていたので、この作品を読んでそれが誤解だと気づかされました。
肉体的な愛ではなく、もっとプラトニックな愛なんですね。

性愛の作品を好む方は物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、僕は満足しています。

BLのイメージが変わりました。

外伝も読みたい

このコミック下宿日和の表紙を見た瞬間、管理人が住人に次々と手をつけるような、ハーレム状態の漫画なのか?と想像しましたが、そうではなく、藤の木荘という下宿の管理人の藤巻正親とその下宿人の一人である蔵屋恵の恋愛話であります。

ほかにもいろいろな住民が出てきますが、基本この二人の話がメインです。

物語の流れはなかなか真面目。
いろいろなところに話の手がかりとなるものを忍ばせていて、読ませる物語だと思います。

また、男同士の絡みの部分がほとんどなく、また相当にあっさりとしています。
そういった絡みを所望する人にとっては物足りないかもしれません。

ただ、物語がしっかりしているので、おそらく不満な気分にさせる内容ではないはず。
主人公の蔵屋恵が管理人さんに惹かれていく心の移ろいがとても面白く、またこの藤の木荘という下宿先と下宿人の運命はいったいどうなるのかというのもドキドキさせてくれます。

軽く読める作品ですが、できれば熟読してほしいと思いました。

最後にあえて苦言を呈すると、この主人公二人だけでなく、その他の住人の話ももう少し見たかったです。
できれば、そちらの外伝的な物語も期待します。

心を浄化する物語

このコミックの中身はカフェラテ・ラプソディという物語だけで、その他のショートストーリーは入っていません。

そして、このカフェラテ・ラプソディは、まったくと言っていいほどブラックな部分のないお話です。
純情、純愛でありかつほのぼの感もある内容になっています。

また、この主人公の芹さんがとても性格が良くて、読んでいる僕が気後れしてしまいました。
この純粋な性格の芹さんを見ていると、僕の荒んだ性格を洗い流してくれそうな気分にもなりました。
心が洗われました。

作中で、絡みはあることはありますが、生々しいものはありません。
ゴリゴリとした激しい露骨な絡みを期待する人にとっては物足りないかもしれませんが、この物語にそれを期待しちゃいけませんね。

単にBLの作品というだけでなく、自分の心に闇を感じる人に読んでもらいたい作品です。
きっと心が浄化されると思います。

高校・幼馴染

この大嫌い!!でもホントはネ…は、短編集で、それぞれの物語は以下のようになっています。

・大嫌い!!でもホントはネ…水口広太×小橋樹里 樹里という女っぽい名前にコンプレックスを抱く主人公の物語

・ぎゅっとしてもいいですか?…石津武則×白田雪弥 幼馴染の高校生と保育士の物語

・君のカケラ僕で満たすよ…秋山×篠塚(春川) 幼いころの幼馴染との再会の物語

・お世話しちゃいます!…辻内×高城 レストランの後輩・先輩の物語

・ただいまラブ進行中…俊哉×田岡英一 高校の不良とマンガオタクの物語

・従順ワンコの育て方…ヤス×柾治 面倒見のよい先輩と傷だらけの後輩の物語

・おぼえたての恋心…東館×坂下 幼馴染の身長差のある高校生の物語

・おぼえたての恋心(番外編)…おぼえたての恋心の続きです

この大嫌い!!でもホントはネ…の全体的なテーマは、「高校生」「幼馴染」でしょうか。
無難な感じで物語がまとめられているものもあれば、「ただいまラブ進行中」のような、ちょっと面白い関係性の二人を描いたものもあります。

あと、傷を舐めるシーンが多いのも目に付きました。

絡みは、それぞれの物語に一シーンは必ずあり、そこそこの濃厚度があると思うので、それに期待を寄せている人にとっても満足できる内容だと思います。

個人的には「お世話しちゃいます!」「ただいまラブ進行中」が好きです。