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最高の一冊でした。続編希望です。

他のレビュワーさんが書いていらっしゃる通りの、既出の内容は割愛させていただきます。(本当にその通りだと思います……)

今巻は自分にとって待望の続編で、連載開始のお知らせが来たときには昇天しかけたかと思いました。その分期待半分不安半分だったのですが、やはり才原は才原、南は南で何も変わらず、本当に最高の一言でした。

ふたりが出逢って変わったのは、才原のほうが大きいと思います。特に三巻では関係が進み、才原の変化が顕著でした。
才原(攻)について。過去のあれそれもあり、純情で真面目で一途、かつ家庭力の高い南に惹かれていったのだろうことは、一巻二巻を通してもよくわかっていましたが、今巻では二巻4話にて明確に自覚した南への好意を、(才原にしては)はっきり、明確に表していたのが非常に印象的です。南へのちょっかいの掛け方も、言葉選びや態度、仕草ひとつとっても「南のことが好きだ」と好意を自覚的に忍ばせていたと思います。
3話の最後でふたりは喧嘩をしてしまいますが、あれだけ(才原にしては)分かりやすいのにも関わらず、南が才原からの好意に対して受け取り切れていなかったのが原因のひとつでもあったのではないでしょうか。
4話で自身を顧みず南を庇う才原は、恐らく叶さん(才原を高校時代から知っている同僚)も仰天するほどに珍しい姿であったと思います。
本心から南のことが大切なのだと読者としても思い知らされ、また南もさすがに痛いほど実感したようで、何よりでした……。

南(受)は、最初の最悪の出逢い方や、才原のいけ好かない(それも似合っているのがまた悔しい)ふてぶてしい態度に、おそらく条件反射で反感を持ってしまい怒鳴るのが癖になってしまっています。
そのせいで自分の気持ち、ひいては才原との関係性を認めるのにも強情さが邪魔し、つい「何とも思ってない」「(心配と嫉妬をぶつけられて)そんなことで」などとデリカシーのない発言をしてしまいました。
三巻目の最後にようやく、才原への想いを認めるも、ただし本人に面と向かってはまだ言えていないこの状況がまさに「南」だなぁ、と思っています。そんなところがとても好きです。

日常の細やかな場面で共に過ごしているところから分かる通り、相性抜群の(二巻で南自身が『波長が合いすぎる』と考える場面があります)ふたりは非常に親密度が高く、もう入籍したのかな?と錯覚するほどです。
個人的には、ふたりは誰とでも生活できるようなタイプでも無さそうですし、旧知の中でも気を遣い合う関係でもないのに、あれだけ何の支障もなく同棲生活を営める相性の良さは本当に奇遇で、素晴らしいと思っています。

間が空いたせいか、一巻二巻、三巻と作者先生の絵柄が変化していますが、どれもどれの好さがあるなぁと思います。どの才原も最高に恰好よく、またどの南も最高にかわいいです。

BBR!シリーズは本当に好きな作品で、まだ南が才原に対しての好意を、対面しては伝えていないこと、またまだまだ南に開発の余地があることなど、心残りはたくさんあります。自他共に認める恋人関係になったふたりのえっちも含むいちゃつきを、もっともっと堪能したいです。

とにかく二人が好きなのでとりあえず才原(攻)の良さを述べます。

他の方のレビューで、今巻でのターニングポイントとなる黒木(司)の話は出ているので省略しますが、自分も彼は好きになれません……とはいえ、南(受)の眼中にあまりにも入らなすぎて若干不憫に思えてきます。個人的にはバニラエッセンスくんと呼んでいます……香料以上の役割が……。

この作品が大好きで何度も何度も読み返しているのですが、才原(攻)のかわいさについての言及が既にされていましたので、反対に彼の格好良さについて言及したいと思います。

才原は確かに盗撮写真・映像で脅しはしているものの、性根がひん曲がっていてどうしようもない……というほどクズではない、と思います。クズすぎるのはちょっと……という方には、開発を数週間続けるほどの本気っぷりとその内に南に構うのが心の癒しになっているらしい様子などなどに注目いただきたいです。

その才原ですが、まず過去に数多の女性と関係を持っていたので、性技に関して相当腕が立ちます。簡単にチラシが作れる器用さは要領の良さにも繋がっているようで、店主である風俗店の嬢には手を出していないこと、すっぱり南一筋になったから、おそらく後腐れのない関係を築くのも得意なのでしょう。一巻描きおろしから、相当運動神経が良いところも窺えます。また、南が初見で「キレイ」という感想を抱くほどには端正な顔立ちをしています。
つまりハイスペックなイケメンです。

ほかにも、才原は全体的に、南の性格を把握した上であえて強引にことを進めることで、南が「これは才原のせいだから」と言い訳をできる状態に持っていっている節があるように個人的には思えます。その理由は作中でときどき焦らすなどの意地悪をしているように、大半は「後で逃げ道を潰すことでより追い詰めるため」だとは思いますが、往生際の悪さが今までに居なかったタイプでかわいい、というのもあるのかな〜……と思っています。このあたりは希望的観測も混じっているかもしれませんが……。

あまりにも往生際が悪い、というよりも自分の気持ちにあまりにも鈍いというのが南くんの性格でしょうが、才原はそれを引っくるめて面白い(かわいい)と思っているのだと思います。

間男である黒木は省略するとして、他のキャラクターの南の兄・俊介兄ちゃん、叶(黒木司の妹)さんをはじめとするキャストの方々もとても魅力的に描かれています。二人が南の抵抗に反してどんどん仲良くなっていく様子を温かい目で見守っている様子がとても好きです。

冗長な拙文ですみません、とにかく二人、ひいては作品が大好きなのでぜひぜひ読んでください!という気持ちを込めました。よろしくお願いします、というのもおかしいですが、同志が増えればとても嬉しいです。一巻を既読の方はぜひ二巻を、未読の方もぜひぜひまとめ買いをなさってはいかがでしょうか!

ちなみに二巻の単話ではそれぞれ(描きおろし以外)特典の1P漫画・イラストがついてきます。最高です。二巻特典のコスプレ漫画・イラストも神でした。現場からは以上です。