まだ作者がBLものを極楽院櫻子名義でやっている頃の作品です。
(現在BLではさくらあしか)
でも個人的にこの頃の作者の絵柄は好きです。
切ない系のシリアスもので、生き別れになった兄弟のお話。
兄は身売りで父親の借金を返しているといった不幸設定です。
そこにある日弟が現れてお話がはじまります。
展開的にそんなに捻りはないけれど、
キャラが美麗だし話の重さもあるしラストもまとまっていると思います。
ラストは読者の見方によって明るくも暗くも感じられます。
また、一冊で完結しているので読みやすいです。
まったく別のテイストの短編も同時収録されています。
ガストコミックス自体がもうないので、本屋で手に入れることは困難かも……?
古本屋か古本取り扱いサイトなどの方が手に入れやすいかもしれません。
上記の攻と受の名前は文字数オーバーになるので表題作のキャラのみ記入させていただきました。
作者の2冊目のコミックスです。
飲み屋街とその周辺を中心とした、読切というよりはオムニバス形式のお話が5編収録されています。
どのお話も個性があってとても好きです。
ですがやっぱり私は表題作の、引っ越したら隣が昔の男の部屋だった、という最悪の再会から始まるふたりが好きです。
学生、フリーター、社会人など、いろんなカップルの日常や非日常を垣間見たい方にオススメ。
Hシーンも、全編に少しずつですが入ってます。
1編ファンタジー要素というか、不思議な雰囲気の強いお話もあります。
それぞれの話とキャラが微妙にリンクしていて、合間に挟んでいる書き下ろしページではその様子が伺えて二度美味しい感じがします。
攻も受も複数なので多種多様で、大抵どれかお気に入りの話やキャラが見つかります。
読み応えもあるので、買って損はないと思いますよ。
商業、同人ともにハイレベルな心情表現をされる古街氏の初商業コミックスです。
不器用でナイーブな神原と奔放でさっぱりした松永との、
高校生同士の緩やかな恋愛模様が描かれています。
受キャラの松永が独特な上、蝶のようにふわふわと恋愛相手を変える子なので
(まあ結局神原に惹かれるのですが。笑)
このタイプが苦手な人には向かない本かもしれません。
私はこの作者の描く作品の言い回しや雰囲気が好きなので
萌えつつ楽しみつつ読めました。
Hシーンはありません。
日常の中でゆっくりこころが繋がっていく様を楽しむ漫画です。
また、幼馴染の女性キャラが出てきますが、協力者的存在で
読んでいる女性があこがれさえ持てそうな強い子です。
HナシのBL、さっぱりすっきりしたBLを読みたいときにオススメです。
バイオリニストを目指す多重人格の主人公・理也を巡るお話の最終巻。
ふたりの理也に惹かれて面倒を見る大学生・篤志と、
片方の理也に好意を寄せる先輩・香坂との間で揺れ動く理也の気持ちと存在が
美しく繊細に表現されています。
よくある軽いネタ的な多重人格と違い、
多重となったトラウマの解決までの流れもしっかりと描かれていて
読み応えがあり、終盤には感動もあります。
勿論Hシーンも入ってますが、決して下品なものでなくむしろ作品の質を上げています。
書き下ろしはありませんがクラフト掲載時より加筆修正もかなりあるそうなので
「クラフトで読んだからいいや」っていう人もぜひコミックスを手にとってみてください。