薄井先生のこういうテイストのお話読みたかった。いずれ一冊にまとまるのはわかっているのですが単話で一気買いしてしまいました。
むずかしい受け(島崎)と 臆病で優しい攻め(立山)のお話。
誰かに期待して突き落とされるのが恐くて 育っていく恋心を持てあまし“友達”である立山との距離感がわからなくなっている島崎。
自分の恋心は ひた隠しに、好きだからこそ手放そうと考えてしまう。少し近づいたと思ったら またするりと抜けて まるで掴めない難しい受けです。
あるきっかけから一つ屋根の下で暮らすことになる二人。デキる男の立山が島崎と暮らす喜びに浮かれていたり、色々と伝わらないもどかしさに苦悶の表情を滲ませたり。
島崎の良いところをしっかりみていて大切に思っているのに、報われない立山が可哀想可愛いくて好きです。
島崎の性格が面倒くさいので、もどかしい展開になるかと思いきや
立山の真逆な明るくて誠実で 極たまに強引な性格にストーリーはじわじわ進められていきます。
たわいないおしゃべりを繰り返す ありふれた時間が、これからは甘く甘く色づいていくんだなと ニヨニヨして5話を読み終えたところです。
評価は萌ですが萌×2寄りです。
設定のところに 両視点とあったので、あらすじも読まずに購入し読み始めました。
ストーリーは ほぼイチカと睦己の二人だけで進んでいくので あっさりスッキリです。そして胸に残る若干の物足りなさの原因を探ると…
あとがきを読んで腑に落ちたんです、私が知りたかったのはコレだと。
作中では イチカと睦己のバックグラウンドがあまり明かされないのです。
リーマンやっていること以外 本当に謎。
逆に 主要人物の背景をつまびらかにしないまま最後まで読ませてしまうのは スゴいなと感じました。
あと、要所要所に登場する黒猫ちゃんのイラストがとても可愛い。
電子限定描き下ろし特典(1P)の イチカがすっとぼけていて、ラブコメテイストでもイケるじゃんと思ってそっち方面での話も読んでみたかったなぁ。
シーモアにて購入。修正→白抜き
スピンオフ元の「葵さんえっちしよ!」は未読の私ですが何も問題はありませんでした。
基本 受けの賢太郎視点でストーリーは進んでいきますが、3話は足立(攻め)視点です。この親切な構成もとてもいい。
顔を両手で挟んで「あんまり他の人と仲良くしないで」と鼻にキスしながら静かに嫉妬心をムキ出しにしてくる攻めは好きですか?
はい、大好物です!!というわけで このシチュエーション含めお気に入りのシーンが、ここあそこにあります。
足立、この見た目で神社仏閣とか史跡とかカフェ巡りが好きなんです。ゆっくりのんびり過ごしたい家飲み派。ハァーーここだけで十分推せる。
最初から最後まで落ち着いた雰囲気で あたたかくて、出てくる人も良い人たちばかりだけど嘘くさくなくて。
想いを分け合い 温もりを確かめるように唇を重ね合う二人の幸せをずっと願いたくなるお話でした。
細かいこと言うけど すみません。
明確に好き合ってない二人の初めても「初夜」って言っていいんですか?帯のその表現が どうしても気になってしまいました。
私が思う 初夜のストライクゾーンが狭すぎるんですね。
さて気を取り直して。
起承転結がしっかりしていて かつ攻めザマァもちょっぴりある読み応えのあるお話でした。
神評価にいたらなかったのは壬生が終盤で 色恋を理由に仕事を無責任に放棄する場面があったからです。職務を最後まで全うしない男はダメだ…魅力が半減。
途中まで、筒美の壬生へ対する愛情の方が重いのかな?
それを真正面で受け止めたり 時に のらりくらり躱したりする壬生に筒美はヤキモキしている…て感じ?と思っていたのですが良い意味で裏切られました。
壬生の才能が開花する瞬間を目の当たりにしてから 静かに身を焦がすような劣等感を抱えながら、同時にどうしようもなく壬生に惹かれていく筒美。
恋だ愛だだけでは ひと括りには出来ない複雑な感情を二人の間に感じつつ、最後は筒美のフニャとした笑顔に癒される後味のいい作品でした。
1話の冒頭でですね、洗面台に歯ブラシが2本並んで立てかけてあったのでてっきり同棲…じゃなくて同居しているものだと思ったんですよ、この二人。でも中盤で瑞貴が「自分ち帰るわ」とか言うので「一緒に住んでないんかいっ!」と思わずツッコミました。
2話で航大と瑞貴の小さい頃のエピソードが出てきます。もう二人とも可愛くて可愛くて。
で、瑞貴が自分は不眠であると航大に告げるわけですが その後の航大の言動がもうスパダリそのものでして。彼みたいなちょっと顔怖い男性って、相手を傷つけるようなことを絶対言ったりしたりしないんですよ(見てきたみたいに言う)
なんだろう…24歳同士なのにこの、アオハルと初恋を詰め込んだような甘酸っぱさは!
これは個人的な願望ですが…航大に秘めていてほしいです「瑞貴の特別になりたい」「自分なら瑞貴の本当の王子になってやれるのに」という幼馴染に抱くには不釣り合いな激重感情を。
攻めのデリバーさんの魂の救済のお話。
人物あるいは大切な何かを守ろうとして、傷つけたり傷ついたりする状況には陥ってしまいますが、嫌な人は誰ひとりとして出てきません。
それが余計に苦しく切なくて どうしようもないのだけど、そこ抜きにしてこの物語は成り立たない。
デリバーさんの人物像。一見して変人なのに他者を不快にさせない不思議な魅力があります。話し方は丁寧、ときどき不気味だけどキュートで、でも絶対に立ち入らせない何かを持っている人。
とても胸の痛くなるセリフがあって。
「私は食べ方が汚いだろう
だから外食はしないと決めている」
哀しい過去と未来への諦めが示唆されている印象的なシーンでもあります。
デリバーさんのことをあれこれ語ってしまいましたが、前情報なしに是非読んでみてください。
何気ない日常の中で幸福につつまれている実感に鼻の奥がツーンとしてしまう。そんな瞬間がデリバーさんと律人くんのこれからに、何度でも起こってほしい。私はそう願いながら静かに読み終えました。
下巻は来月発売とのこと。
隕石の不思議な力で人間になった 元コウテイペンギンのスバルが一番ほしかったものは「いつも自分のそばにいてくれて
自分のことを大好きでいてくれる存在」
(腹黒)園長のサポートによりホストクラブで働くことになったスバルだが、天職ラッキー!と喜んでいたのも束の間、ヒト社会の表と裏を目の当たりにし、コウテイペンギン時代の苦い思い出が甦る。
そんなスバルと同居生活を送るのは、図体デカいけど、ばぶの
元ホッキョクグマのカイ。こちらは園長命により大学生やらされてます。稼働率15%くらいの半冬眠状態で たいていぼーっとしてる彼ですが「一度狙った獲物に対する執着は どの生物より強い」ホッキョクグマの習性を要所要所で発揮してくるのです。
年下攻めが醸し出す“安心ですよ 安全かはわかりませんけど”
な感じ、なんぼあってもいいですから 下巻での更なるパワーアップ期待しています。
でも適度なバブは忘れずにいてほしい。