東雲月虹
tenohira ni kouun no koibito
コウがベッドで目を覚ますと
隣の春男はまだ眠ったままです。
起き抜けのぼーっとした頭で考えるのは
まだ夢みたいな今の状況。
ガラスの小瓶に入っていた頃には感じられなかった
“寄り添う体温”がいつもそこに…。
春男の肩に手を添え抱き締めながら
「幸せだなぁ」と笑みを浮かべるのです。
ひとしきり噛みしめたあとは
「起きろ───!!」と威勢よく起こし
「ほら早く!遅刻すんぞ!」と追い打ちをかけますが
驚いて飛び起きた春男は
まだ目が開かないまま眼鏡を取り
「おはようコウ」と挨拶します。
そんな毎日が嬉しくてたまらない様子のコウはにっと笑い
「今日も良い日になりますように!」と願うのでした。
人間になって魔法が使えなくなっても
春男を幸せにできるのはコウしかいないし
コウが幸せだと思えるのは春男の傍なので
これ以上の幸福は無い気がします。
もし小さなケンカをしたとしても
二人ならこんな朝を毎日迎えられるんだろうなぁ。
4ページリーフレットなのに2ページしか漫画が無いのは
正直なところ残念でしたが
春男とコウの朝を読めて嬉しかったです。