てんてん
usagi itoshi
本品は『桃色蜜月~雪兎とヒミツの恋人~』の
コミコミスタジオ特典小冊子です。
本編後、2人が父のお土産から
ぴょん太を思い出すお話となります。
社長として何かと多忙な父親が
珍しくも早く帰宅し
家族全員で久しぶりの夕食となった
某日夜。
父の会社に入社が決まっていて
史顕の入社に関する話を振ってきます。
父の理想の息子である史顕は
嫌な顔一つせず会話に応じていますが
ハッキリ言って理生には
つまらない話です。
それは母も同じだったようで
夕食時に相応しくないと呟くと
話題変換を図る父に
驚きの理生は史顕の視線に
家庭での顔は内緒らしいと
母の手料理を食べる理生でした。
が、夕食後に
父が取引先から頂いたという
小ぶりな饅頭には
どうしても手が出ません。
それは元町の中華街で
月見シーズンの身に販売されるもので
中の餡によって色とりどりに
着色されてた饅頭でした。
両親が不思議がる理生の食欲減退を
何とか史顕がごまかしますが
史顕もとても食べられそうにありません。
特にこしあんだというピンク色は
理生が寝ぼけていても絶対に
食わないというか、食えないモノでした。
ソレは
兄への思いを持て余していた理生に
気持ちの変化をもたらしたきっかけを
作ってくれた大切な友人に似すぎていて…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)で、
12頁と長めな小冊子は
2人を結び付けた兎絡みのお話です。
父の土産の饅頭は
兎型のお饅頭だったのです(笑)
お月見用なので兎に模したと思われますが
史顕と中を取り持ってくれた
びょん太が雪兎に宿っていた事から
理生はもちろん史顕には
兎の形したモノを口にする事は
出来そうにはありません。
そればかりか理生は
ぬいぐるみでさえも
大切な友人を思い出して
見たくはない有様なのです。
理生の態度は人によっては
兎嫌いと思われそうですが
史顕にはそれが可愛さと愛しさ故と
判ってくれています。
史顕と両想いになっても
失ってしまった友人への思いを
複雑な形で残す理生の思いが
読み取れる短編でした。
自分は想いを成就したけれど
そのきっかけとなった
雪兎のぴょん太は消えてしまった為に
「兎」というモノ全てが
愛おしすぎて目に入れられないって
史顕的には可愛さMMAXかな(笑)
理生って高校生としては
ちょっと意識が幼すぎるので
理生を可愛すぎる史顕には
たいへん美味しいお話だと思いますが
もうちょっい捻ったお話か
ラブ路線に流れる系が読みたかったな (^-^;