薄雲
niwakaame no soto
協力書店限定ペーパーです。
本編で出てきた脇役、攻の太陽の同期である桜視点の話。
太陽と一緒に飲みに行った先で、太陽がゲイなのではないかと周囲で噂されていることについて尋ねる桜と、あっさり男と付き合っていると告白する太陽。
さばさばしている桜のおおらかな性格が良く出ていて読んでいてとても面白かったです。
酒が進むにつれて完全に酔っ払いと化した二人の間に、太陽の恋人であり同棲している時雨から電話が掛かってくるのですが、へべれけになって惚気まくる太陽に迎えに行くという時雨。
こうなったらこの恋人の顔を拝みたい、と一緒に迎えを待っていた桜の元に表れた時雨の、あまりの美貌に驚く様子がおかしかったです。
ふたりの仲の良さに当てられて、散々惚気られた桜はひとり夜道を歩きながら、自分もこんな恋愛がしたい! と早速合コンの誘いを掛けに行くという感じで終わっています。
正直本編よりもこのSSの方が面白かったです。
桜の性格の特徴がとても良く出ていたし、何より本編よりもはるかに文章がスマートで読みやすい。無駄な表現をそぎ落としたらこんなに読みやすい文章なのにと思うと、本当にもったいないと思いました。
ぜひこの桜で、このすっきりした文章の感じでスピンオフが読んでみたいです。