snowblack
koimitaina aimitaina
本編(2巻)は、両思いになって歳月が経ち、
更には同居に踏み切って(1巻参照)8ヶ月後の話だったが、
このペーパーは月日が遡り、つきあい始めた大学生の頃の話。
「穂木の背中がびくりと震えた。
おずおず志方のほうに寄り添ってきた身体からは緊張が伝わってくる。
電気を消してほしいというのでそうしたが、
つけっぱなしのテレビの明かりの中で、穂木の表情はこわばっていた。」
:
穂木が大学入学と同時に始めた独り暮らしのマンションに、
志方が泊まるのはまだ3回目という場面。
読み始めから、そりゃニマニマしちゃいますよね?
……と、読者を期待させておいて、実はこれ
2人でホラー映画を見ているというシーン。
恐がりのくせにホラー好きの穂木が、涙目になって
ぎゃあぎゃあ言ったり志方にしがみついたり、それに志方が呆れたり。
そしてそのうちに、2人はぎこちなく唇を合わせて……
というところで、終わるのだが、
お互いどんな風に「いい雰囲気」になったらいいのか分からない
若い(10代だったんですよね?)2人の初々しさが
その後の2人を知っているだけに、とても可愛らしく愛おしい話でした。
本品は『恋みたいな、愛みたいな』の
フェア書店限定特典ペーパーです。
本編はできカプの悲喜交々でしたが
本作は仕方視点で
2人が付合い始めの頃のお話になります。
穂木は大学入学と同時に
ファミリータイプのマンションにて
一人暮らしを始めます。
親の意向で広い部屋になったから
いつでも泊っていいよという
穂木なりの精いっぱいのお誘いに
志方がお泊りするのは三回目です。
そして今、
電気を消した部屋の中
穂木の背中がびくっと震えて
志方の方にすり寄ってきた身体からは
緊張が伝わってきます。
だいじょうぶか
志方が小声で訊くと
穂木は唇をきゅっと結んで
かすかに頷きますが
明らかに無理をしています。
やめるか?
やめない
でもおまえ、怖いんだろう?
こ、怖くない
しかし、
穂木が気を呑んだ気配がして…
B5サイズ片面ペーパーは
まだまだ初々しい2人の昔話になります。
実は穂木が息を呑んだのは
TVから流れるホラーのDVDのせい♪
穂木は怖がりなのに
ホラー大好きなのです。
志方にはその手のモノは
視聴者を怖がらる意図が見え過ぎて
主人公の行動は疑問でしかなく
全く楽しくありませんが
穂木は制作者の意図に
素直に従っていて泪目で震えていて
飲み物を取りに行こうとした志方まで
全力で阻止して引き止めるのです(笑)
電気を付けてと言いつつも
身体も離してくれない穂木に
ついに志方はTVの方を消して
「いい雰囲気」へともつれ込みます♪
実は2人ともまだ3回目のお泊りに
雰囲気つくりの手順を手探り状態だった
というなんとも初々しい顛末が
とっても可愛いSSでした。
本編は続刊で
すっかり出来あがっている状態なので
こういうSSは特典ならでは♡ですよね。