てんてん
yami wo yobu koe
本品は『闇を呼ぶ声 -周と西門-』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。
本編後、四辻家のお正月のお話になります。
四辻家の仕事始めは1月3日です。
今年初めて
四辻家で新年を迎えた西門は
三ケ日くらいはゆっくりしていたいと
意見するのですが家族全員一致で
却下されてしまいます。
ひとり暮らしの年寄りが多いから
正月はできるだけ早く声をかけるって
決めてるんだ。
年末年始はアクシデントが多いから。
周の言葉は正論すぎて
西門もうなだれるほかありません。
毎年恒例になっているから
楽しみにしてくれている人も多く
賃貸マンションを回っていくと
熱心に引きとめる人もいます。
人慣れしない周はいつも
上手く対応できずにいましたが
今年は西門が笑顔で相手を喜ばせつつも
引き際のタイミングを見極めてくれ
さくさくと進む事が出来た程でした。
夕飯のあと、
居間で正月番組を見つつ
西門はウィスキーを飲みますが
その手には挨拶周りでもらった
シュークリームが握られていました。
周の母親・侑理は辛党だった西門が
急に甘いもの好きになった事を
不思議に思っている様ですが
甘党の薫の魂のせいだとは言えず
西門は情けない顔で
シュークリームを食べるはめに。
侑理は腕組をして
そんな西門をじろじろと検分し
衝撃の一言を放ちます。
柊ちゃん、太ったわよね。
これはメタボ腹よ。
B5サイズペーパー両面と
少し長めのお話になりますが
珍しくイラストの無いペーパーです。
侑理の台詞に西門は
自分はドレほど食べても太らないし
今までにデブった事はないと
豪語するのですが
それは35歳までの時限魔法と
一蹴されてしまいます。
援護を求めた周にも
ふくふくしていて縁起のいい腹だ
と評された西門はダイエットを決意!
しかし、
早朝ランニングをすれば
食欲を刺激されて食が進み
カロリーを控えれば食べた気がせず
薫のせいで甘いモノもやめられない
という悪循環では効果は薄く…(笑)
そんな西門を見て周は
腹が出たみっともない中年になって
モテなくなるなればいいのにと思う
というオチまで
のり突っ込みがちりばめられた
微笑ましいお正月風景を
堪能させて頂きました。
西門がゲイで
女性に興味がなくても
今でも六巳を思っていても
女性にもてるのは心配という
周の本音が可愛すぎる♪
日常のこぼれ話なので
こういう機会じゃないと読めない
小話って感じで良かったです。
プラチナ文庫は作品によって
テスト販売もしているので
本作も対象作として昨年中に
入手する機会があったのですが
時間がかかっても
特典付をGETして良かったです。
次巻もつくといいな o(^o^)o゛
本編がホラー風味強めのお話だったので、こちらの特典ペーパーはお口直し、験直しの、甘味たっぷりのお話です。
但し、この「甘味」は、いわゆるBL業界でいうところの「甘あまエッチ」の「甘味」じゃなくて、文字通り本来の意味通りの「甘味」、甘いお汁粉、シュークリームに、とどめは『菓子職人』のケーキ詰め合わせ。
メタボに戦くアラフォー西門の中に棲む、女子高生のままの激烈甘党の薫の荒ぶる魂。
自ずと勝敗の行方は明らかなような気もしますが、周としては大福腹の西門も、モテる心配をせずにすんで、それはそれでいいなと思うのでした。