渋茶
goukakyausen de koi wa hajimaru
初回限定の特典として12巻・上巻に挟み込まれていたペーパー。
話は湊目線で、南極から帰ってきた後、湊がよく行く旅館にエンツォを誘ってのエピソードとなっている。
そこの旅館は湊がバスケ部の合宿でよく泊まる場所で、女将さんとも顔馴染みになっている。
湊からバスケ部全員で大浴場に入ると聞いて、恋人が他の男性に肌を見せるのを嫌がるエンツォは案の定不満げになるが、そこを何とか理解してもらおうと説得する。
特に湊にとって譲れない、『風呂上がりにタオル一枚の姿でいちご牛乳を飲む至福』を理解してもらおうとエンツォにお願いしてやってもらった。
すると、そんな恰好がギャグどころかセクシーに見えてしまって湊がドギマギして困ったっておのろけのエピソードだ。
このシリーズはそんな惚気も甘々も承知のうえで楽しめるのだが、実は長年読んでいても、湊に対しての印象と作中でのギャップが未だに解消できないでいる。
自分が読んで感じる湊像って自ら飾らない、溌溂として元気がいいひまわりみたいなイメージなのに、作中ではエンツォや他クルー、豪華客船の乗客に王子さま扱いされてて、薔薇みたいな華やかな容姿に映るって差にどうも納得できていない。
元はというと、エンツォの策略で、湊にタチの悪い男が寄り付かないように『彼は某国の王子だ』って噂を流したって経緯もあるのだが。
なので、今回のペーパーのエピソードみたいな、元からの顔見知りのおばちゃんとかに小町っぽい人気者として慕われているって湊の一面が垣間見えるほうが断然好感が持てるのだ。