てんてん
tengusama no hatsukoi oshinagaki
本品は榛名悠連続刊行記念フェアの
読者プレゼントペーパーで対象文庫
『天狗様の初恋おしながき』番外編です。
柚留達が人間界でお花見をするお話です。
町全体が
優しいピンク色に包まれた春の日。
開花宣言以来
柚留はしつこいくらいに
鐡を花見に誘い続けていました。
人間界に渡るのを渋っていた鐡が
ようやく首を縦に振ってくれて
本日は待ちに待ったお花見となりました。
奥まった細い路地を抜けた途端
鐡は数十年ぶりに訪れた人間界の
変わりように目を白黒させます。
初めて目にする文明の利器に
わたわたする鐡に
柚留は思わず笑ってしまいます。
するとムッとした鐡は
背中に鴉羽根をだして柚留を
空の上に連れ去ります。
飛ぶくらいの妖術はどこでも使えるらしく
向かう予定にしていた一本桜の下に
あっという間についていました。
レジャーシートを広げていると
椿と青桐、桜がやってきて・・・
A4サイズ両面で長めなSSとなります。
柚留と鐡にとって
桜はとても特別な花となっています。
人間界に来たがらなかった鐡が
人間界にやってきた事、
そして一緒に桜を見てくれた事は
柚留にとっても鐡にとっても
大きな前進となったようです。
桜の花という幻想的な背景と
2人の仲の良さがにじんでいて
ほっこりしました♪
特に何かアクシデントがあるとか
アワアワするとかが無いお話ですが
ほのぼのとした優しさが伝わり
読了感の良い素敵なSSでした。