てんてん
shousetsu dear plus collection paper
本品は雑誌「小説Dear+2016年ハル号」の
読者プレゼントペーパーで雑誌掲載の
『恋みたいな、愛みたいな』番外編です。
『恋みたいな、愛みたいな』は
既刊『好きで、好きで』の続編で
本作は志方視点で
結婚の定義を考えるお話になります。
穂木は、
姉が甥を引取りに来た時に
甥の言葉に載せられて姉に
志方と「結婚している」と打ち明けます。
志方にとって結婚という言葉には
特別感は感じないのですが
穂木の中では姉に告白した事で
何かのスイッチが入ったらしく
やたらと話題に出るようになります。
志方はそんな穂木の様子を
打ち明けられてが嬉しいかったのか
と思っていたのですが
穂木の「結婚」という言葉自体に
志方にはわからないロマンを
感じているようなのです。
ねえねえ、
結婚ってさー、つまるところなんだろう?
志方の定義ってなに?
今日は冬休みがもうすぐ終わる
穂木の甥が遊びに来ていて
これから近くの神社に「はつもうで」に
出かけようとしている時なのに
またまた穂木が話をふってきました。
いいかげん飽きないものかと
志方は少々呆れてながらも
お出かけを理由にスルーします(笑)
冬晴れの穏やかな天気は
ふらっと出歩くにはちょうど良い気候で
途中民家の軒先の猫をかまったり
後援でブランコをこいだりしつつ
お目当てだった神社に到着します。
B級グルメを満喫する気満々の甥と
同じレベルで楽しむ穂木の屈託ないやりとりは
志方の気持ちもほっこりさせてくれました。
早速チョコバナナを買おうと並んだ2人を
邪魔にならない場所で待っていた志方ですが
並んでいた穂木が急に噴き出して?!
A4サイズ片面ですが
横長3段組みなのでけっこうボリューミーです。
雑誌購入者限定の全プレなので
これだけ読む人はいない事が大前提で
展開する後日談です。
志方の家族に関する思い出は
苦い思い出ばかりなので
穂木と甥っ子のやりとりを
微笑ましく思っていたのですが
外にその思いが溢れる事はありません。
それどころか強面の志方を
参拝客が避けて通っている事が
穂木の笑いを誘ったようです。
そんなつもりはなかった志方ですが
確かに志方の前を通り過ぎる人達は
志方の前で大きくスペースを空けていました。
そんな志方に甥っ子が
可愛い助言をくれるのです。
しかたー、にこにこするのよ、
にこにこするとみんなもにこにこするのー!
にこにこよー、しかた!
甥っ子の発言は可愛過ぎですが
穂木の発言はその上をいくのですよ。
無理言っちゃだめだよ
志方は笑うと不気味だから
でもそんな明るくて屈託のない穂木だから
志方の毎日はとても充実しているのでしょう。
お賽銭を投げる穂木と甥っ子の様子に
志方なりの結婚の定義がつくというオチまで
とっても楽しく読めました♪
志方は穂木との出会いによって
穂木が思っている以上に変わっていて
そうした日常を与えてくれた穂木を
仕方がすごく大事におっているのだなぁと
感じさせる素敵なSSでした v(^-^)