あやちゅけ
このペーパーの主人公は、本編の主人公倖夜(受け)の兄・裕夜です。
最初、裕夜は倖夜への情がない冷淡な兄に見えました。
しかし、後半の登場で、一気に裕夜への好感度がアップしました。
本当は、倖夜を弟として大事に大事にしてきた。
だからこそ、倖夜を嘘でたぶらかそうとしている諒介(攻め)の存在が
許せなかったんですね。
裕夜がいなかったら、おそらく本編のハッピーエンドは
無かったと思います。
裕夜が諒介に「絵を描くのをやめろ」と言ったのも事実だし、
諒介が自分の右手を代償に倖夜を手に入れようとしたのも事実。
これで裕夜は、諒介の強い覚悟に気づいたのでしょう。
だからこそ、このペーパーの冒頭にあるように、全てを分かり合って
電話で連絡をとりあうような仲になりました。
倖夜と諒介の仲を認めました。
優秀な兄は、倖夜のコンプレックスだったのに、
兄の裕夜は、弟がゲイであろうと何であろうと、
倖夜を弟として大事に思ってきた……。
その事実が嬉しかったです。
穏やかな心持ちで、仕事で海外へと行くため、
日本を出立しようとする裕夜。
こんな心持ちにさせたのは、全ては諒介覚悟の行動だったと思います。
このペーパーには、そんな穏やかな心の裕夜の心が詰まっていました。
どうか、倖夜と裕夜の兄弟の絆が永遠に続きますように。
重症を負った諒介の右手が元通りになり、
再び絵が描けるようになりますように。
そう願わずに入られません。
兄が弟を大事にしてくれていて良かった……そう思ったラストでした。