江名
スミレビヨリ
これから「すみれびより」を買おうかなぁ~と思っている方がいたら、
ぜひアニメイトで!!
そう強く勧めたくなるほど、このSSペーパーはよかったです。
こちらのペーパーは攻め西澤の母親視点で書かれています。
小6の時に西澤浩一郎(攻め)が、
やせっぽっちのクラスメイトを家に連れて帰ってきた時、
心配なクラスメイトがいると息子から何度も相談を受けていた母は、
芙蓉(受け)を見て、すぐにそれがこの子なのだと分かったそうです。
そして、
芙蓉の様子を見て、家庭環境は思っていた以上に深刻だとも。
その後数日かけて、
小学生の西澤と母は芙蓉のことを話し合い、
しかるべきところに相談した方がいいという結論に。
幼い西澤は、頷きながらポロリと涙をこぼし、
理性的な息子のそんな姿に母はひどく驚いたといいます。
再び母が驚くことになったのは西澤が中一の時。
ホームセンターに行った息子が、
いきなり植物の苗木を買って帰ってきたからです。
その苗木の名を「芙蓉」と知った時、
母は小6の時の息子の涙を思い出して、
これはただならぬことかもしれないと思ったそうですが、
距離感に気をつけて愛する一人息子は育ててきた母は、
苗木のことを問いただしたりはせず、ただ見守ることにしました。
その後、父親の身長も追い越して、
西澤浩一郎はより落ち着きを増して成長していきます。
そんな息子が中三の時のある朝に、
母はまたもや驚かされることになります。
ニュース番組の中継で学生下宿「大町館」と芙蓉が映り、
西澤は飲んでいた味噌汁を吹き出して興奮した声で、
「今、見た!? 大町だったよね!?」と声を上げたからです。
その後、食い入るように画面を見ている息子に、
母はあっけにとられたようですが、
時が経ち成長しても尚、変わらない熱い想いを胸に抱いている事を知って、
息子を応援したい気持ちになったといいます。
それから4年経って、
その時に見た「大町館」に下宿することになった息子が、
芙蓉を連れて実家に帰ってきます。
かつての少年が、
健康そうでいきいきとしていて、
その芙蓉の横で息子が見たこともないほど嬉しそうに笑っている、
そんな様子を見て、母として思うことは…
多くの親が西澤の母親のように、
子供の幸せを穏やかに見守ってくれると、いいのになぁ…
そう心から願いつつ、じんわりと親の愛が沁みたペーパーでした。