marun
mirai yosouzu
失礼ながら本編よりも、笑わせて頂きました。
もっとも本編は笑いを取る作品ではありませんのでこれは番外編ゆえの楽しみ。
身内が起こした下着泥棒、無事に退院したのに復帰一戦目は身内の不祥事。
そしてその相手は最後の裁判と思っていた時と同じ元婚約者がいる弁護士事務所相手。
本当に面白い裁判、実際にはありえない展開ですが作者のユーモアセンスが光るのです。
この作家さんのコミカルな作風がいかんなく発揮されている小冊子。
本編でちょっと不満足だった人もこの番外編で大いに笑って欲しいです。
え~、(こちらは他作品比でもとりわけ)本編ネタバレを含みますので、本編未読の方はご注意ください。
『余命宣告』が間違い(というか勘違い)だったとわかり、身辺整理のつもりで出してしまった退職届の撤回を申し出た館川。
撤回は承諾されたものの、面倒な裁判の担当をさせられることに。
なんと、後輩検察官が下着泥棒で捕まった事件なんですが、世間の目があり起訴せざるを得ない、でも有罪は困る、という。
『勝ってはいけない裁判』ですよ。
個人的に、所謂『お仕事もの』がすごく苦手で、本編のお仕事部分もただ『・・・ふーん』って感じでしたが、さすがに日向さんの番外編は法廷シーンまでコメディでとても面白かったです。それがいいことなのかどうかはともかく(本編ダメでも番外編『は』楽しめるというのが)。
翻って、愛染の愛息子・匡志郎サイド。
実は、館川と愛染は当の本人たちは知らないだけで、もうとっくに近所では『公認CP』扱いだったのだとか。
また、本編にも何度か名前の出ていた匡志郎の親友が、愛染の恩師でもある内科部長の孫だったんですね。
うん、息子サイドもこっちはこっちで楽しそうでした。いろんな意味で。タイトルの『未来予想図』は、それを深読みしろって言うのも含むんでしょうか。