snowblack
natsu moe
メチャクチャ好きな『真夜中を駆けぬける』シリーズの全サ小冊子。
『年寄りと俺』
画家の勇気は、壺やら皿やらの古美術も大好き。
しばしば、奴を可愛がってくれている数寄者のご老人達に誘われて、
普通じゃ味わえないような逸品を見せて貰ったり、触らせて貰ったり、
それから一見さんお断りのような店で、ご馳走して貰ったり。
ご老人達、そりゃ年期の入ったパワーをお持ちの面々。
家に帰ると、爺さまパワーに当てられてグッタリ……
加齢臭は瘴気だと言い出し、
若いエキスが欲しいとのたまう始末。
それを聞いて、勇気より年上の(そしてそれを実はちょっと気にしている)
昇はムッとして……
『若者と俺』
一方の昇は、若者に懐かれている。
しょっちゅう昇を頼って訪れる、売れない役者の卵・夏木。
昇は邪険な口を利きながらも、なんだかんだと世話を焼いている。
そんなことをしている昇の一筋縄ではいかない気持ち。
夏木は、そんな昇の気持ちを誤解するのだが……
それに対して、容赦なく相手を突き落とす昇。
帰れば帰ったで、家には才能があって可愛い図体のでかい猛獣一匹。
彼に立ちはだかられると実は怖さを感じてしまう昇の、
駆け引きをがいいなぁ。
「蹂躙されていても、招き入れたようにふるまうこと」!
ああ、このカップルやっぱりツボ。
昇の台詞は一つ一つ心の底に忘れがたい印象を残す。
こんなに短く、Hも全然ないけれど、
ファンにとっては満足感が高い一冊です。