blacksima
tsumasaki ni kourozu
薄グレーの用紙に黒インクの一色刷り。サイズはコミックスより少し大きく、A4を2つに切った位の大きさです。
空想の世界なのか、菌類学者の室田先生の頭の中なのか、数枚の写真の中に本作の主人公(岩井新)が写っていたり、その写真の回りには標本のように精密な植物が描かれています。
キノコやどんぐり、シダ植物のワラビかな?不思議なタマゴだったり、花を咲かせる蕾なのかな?
と名前当てクイズでは無いですが、わくわくしながら見れます。本作でも感じましたが、図鑑を読んでいるような気分です。
その中にある一つの手。指先に触れて伸びる植物。「爪先に光路図」というタイトルの美しさを改めて感じます。指先(爪先)から光が溢れる道筋。地図。「いろいろな物を辿ってあなたへ辿りつくという意味かな~」とぼんやり思いました。不思議な世界です。
また短いですが青井秋先生からのコメントがあります。このペーパーは漫画ではないですが、じっくりと見惚れてしまいます!!!
美しいんだこれが。
よくあるおまけ漫画ペーパーではなく、
青井先生直筆のメッセージと
シダ植物や菌類や卵の静物画。
植物図鑑の様に繊細で、
うやむやさのない潔い線。
この方の静物画、
本当に額に入れて飾りたくなるほどに
私のツボに入ります。
キレイだなぁ…
正直、人物画は
そこまで好みなわけではないのですが、
雰囲気を作り出す風景や植物も
全てひっくるめて、
青井先生の世界は
出来上がってるんだろうなと思う。
さらりと入れた筆記体のサインは、
画家が絵画に記すサインのようで
それも含めて雰囲気にうっとりです。