M+M
chocola bunko 2012
3作品のその後が収録されています。
二段書きとはいえ、B6サイズ?小冊子の各5ページなので、短めです。でもいずれも本編の受けが切なくて、両思いにはなったけれど、もうちょっと攻めからのラブを感じたかった作品ばかりなので、受けが報われた思いでほっとしました。
五条レナ『運命の男』より「お前しかいらない」
伊織(受け)は長い片思いの末、糖堂(攻め)と仕事だけでもなく公私通じた人生のパートナーになった二人。とはいえ、伊織は海外支社立ち上げのため、アメリカに長期滞在中で今回の帰国も半年ぶりです。互いに一週間の休暇をとってのんびり過ごすつもりが、伊織が過労で倒れてしまいます。決まったパートナーができると適当な相手で欲求不満を解消するわけ似に行かない、と呟く藤堂に、伊織はつい「仕事に支障が出るなら『適当な相手』を見つけてくれてもかまわない」と言ってしまい…。
仕事をなにより大切にしていたはずの二人。それなのに、減俸ものだと笑うエンドでした。学生が授業をサボるのとはわけが違う、地位ある大人がするからこその感動でした!
余談ですが、ベッドの中でも、名前でなく姓で呼び合う二人です。両思いになった途端に名前を呼び合うより、この二人にはぴったりだと感じました。
佐田三季『クライ、くらい夜の終わりに』より「Liar」
須田(受け)は記憶をなくすほどの辛い過去を乗り越えて、寺岡(攻め)を受け入れて一緒に暮らすようになります。大学院生の自分に比べて、寺岡は社会人のうえ社交的。週末くらい一緒にいたいのに、寺岡のスマホにメールや電話が入り邪魔されてしまう。おまけに夕食をキャンセルされて会社の飲み会に出かけてしまい…。
途中まで、まだコイツこんな感じなのか、と冷ややかだったのですが、ラストの寺岡に甘える須田の姿に、ようやくほっとしました。須田が幸せだったらそれでいいです。
ひのもとうみ『 遠くにいる人』より「予期せぬ出来事」
三津は幼馴染の治樹(受け)と小田島(攻め)が一緒に食事をしている光景を同僚が見かけたと聞いて、ふたりの関係がバレてしまうかも焦ります。小田島に「少しは気を遣って欲しい」と言ったところ、小田島は…。
ちょっと寂しそうな三津に、あなたもスピンオフ作品で幸せになりますよと教えたくなるエンドでした。