ぴえぴえ3号
kurai kurai yoru no owari ni
本編での辛くて暗くて重い道のりを経て、両想いになった真市と寺岡。
このペーパーでは、寺岡がサークルの合宿でいなくて1人寝の夜、暗いのが相変わらず苦手な真市が夜中に寺岡にメールを送って・・・という本編のアフターストーリーになっています。
両想いになっても、いまいち素直になりきれない真市がもどかしくて、寺岡の甘やかしっぷりも本編に引き続きで萌えます!!
「帰る」という寺岡に、「帰ってくるなよ!絶対に帰ってくるなよ!」みたいな感じで連呼する真市が、まるでダ○ョウ倶楽部のネタみたいで、とっても微笑ましかったw
そして案の定帰ってくる寺岡w
本編が重苦しい展開だっただけに、ほっこり幸せな気持ちになるエピソードでした。
過去のトラウマから暗くすると眠れない須田は、寺岡がサークルの旅行で不在の為、暗くても眠れるように寝る前のアルコール摂取で乗り越えようとするのですが、尿意から目が覚めてしまって思わず真夜中なのに須田に電話を・・・
本編でもそうだったのですが、やけに須田は便所へ行きたがりますww
「便所」という表現がわりかし出てきたのですが、なんかリアル男子を思ってこの表現ほほえましいのですが~v
怖くて電話したのに、ついつい意地張って強がってしまう須田をちゃんとわかっていて、合宿の途中から戻ってきてしまう寺岡。
ここで、須田も寺岡も成長している部分が見えて何か本編が暗かっただけにすごく嬉しくなるシーンが。
電話で言った言葉が主語がなかったために相手を勘違いさせた、と気が付いて訂正する須田。
しかも思いっきり意地っ張りなツンデレ口調でww
そして帰ってくるな、と言われたのに帰って来た寺岡は、空気を読むのを止めて、須田のマネ=ものわかりのよい態度はやめて思うままを口にして行動するってことかな?
これは寺岡が須田に対する負い目を一歩脱出した瞬間だったのかな?とも思います。
彼等がバカップル間違いない一場面を見せてくれて、とてもなごむ一編になりました。
本編での重たいあれこれを乗り越えて、
ようやく「好き合って一緒にいる二人」になった須田と寺岡。
それでも、クライ、くらい夜は、簡単に、完全に終わりって訳じゃなく、
もう、一晩でも離れていられないってね。
須田にとって、寺岡の、この手さえあれば大丈夫って、
なんか、「かわいいツンデレさん」なエピソードっぽくまとめているけど
二人だけの世界の中では、それでいいかも知れないけど、
それでいいのか?って、心配になっちゃう。
本編の須田の過去がキツくて、読了した後でもまだ心臓がどきどきしてる状態で、続けて読んだペーパーでした。
どうにも素直になれない、いや素直なのか?という須田と、須田が可愛くてたまらない寺岡の後日談でした。本編からどれだけの日数が経ったのかは未記載ですが、それほど月日は経っていないのかな。
ラスト、寺岡の掌を握り締める須田なのですが、そこで笑みを浮かべて欲しかったです。本編で須田の笑顔が見たいという寺岡。彼の願いを叶えられていないのですよね。被害者なのだからお金を要求しようと決めた時にうっすら浮かべた笑みではなく、須田が少しずつ笑顔を取り戻してくれたら、読んでいて安心したのに、と思いました。
番外編ペーパー。
本編後の設定ではあるけれど、どれくらい後なのか?2人はまだ大学生。同居はしていない様子。
真っ暗な中では眠れない須田。
だがその夜は1人で電灯を消してみた。しかし…
夜中に目が覚めてしまい、暗闇に包まれた自分に震える。急いで携帯を開いて小さな灯りを求める。
そこにはサークルの合宿で青森に行っている寺岡からのたわいもないメールが届いている。
寺岡もどうでもいいつぶやきを送ってくる、なら自分も送ってもいいだろう?
『目が覚めたら暗かった』
…すぐさま電話をよこして「帰る」と言ってくる寺岡に驚き、怖くなんかない、帰ってくんな!と慌てる須田だったが。
寺岡は速攻帰ってきます。合宿の日程はまだあったのに、暗闇を恐れる須田を1人にしておけなかったんだね。
あんなメールを送ってきた須田に萌えたんだね。
とにかく須田が好きで好きで仕方のない男。
多分本編からそれほど経ってないのか、須田の方からは甘える仕草はありません。
ただ、心に恐怖を飼っている男は自分を抱く手に安心感を求め、そこに恋があるのかそこに愛があるのかは確かではないけれど、その手を掴むしかない…
本編後の甘めなエピソードとして書かれているはずのこのSSですが、私にはほんわかストーリーとしては読めない、かな。
寺岡の愛情は本物だとは思う。
一方須田の感情は恋ではないと思う。
要するにまだまだ温度差のある2人、ですね。