てんてん
本品はルチル文庫崎谷はるひミリオンフェアの
フェア書店限定配布の特典品で
『静かにことばは揺れている』の番外編になります。
今回は受様視点での回想を交えて
本編終了後の一時を描いた番外編となります。
乙耶がはじめて綾川を見たのは
テレビの情報バラエティ番組です。
オネエキャラが勢揃いする中、
ひときわ大柄で美しい顔をした
不思議な雰囲気の男は
メイクも衣装も艶やかなのに
乙耶には誰よりも男らしく見えたのです。
ノンケの子持ちじゃ、あたり前か。
それから数年が立ち
彼と仕事をする事になって知った理由は
乙耶の納得のいくもので、
今も持ちかえり仕事が終わらずに
PCを操っていた綾川は、
当然のようにノーメイクで、
かつてが乙耶がテレビの中に見た
あでやかな女装姿の面影は
どこにもありません。
それでも彼が持つ美貌は
今も失われる事も無く・・・
無意識に凝視していた乙耶ですが
綾川に視線が痛いと指摘され、
言いたい事があったら言えと
苦笑交じりに促されてしまいます。
そこで正直に綾川だが
すごく「男の人に見えた」事を告げると
呆れたように目を丸くされてしまいます。
それって、好きだからだろ
理詰めで検証する乙耶には
単純な「好き」の2文字は
浮かばなかったのですね(笑)
乙耶からみた綾川が
どう見えたのかも判って
なんともほのぼのとしたお話でした、
ごちそうさまです m(_'_)m