茶鬼
高遠さんのルビー文庫2ヶ月連続刊行記念の小冊子はモノトーンに赤が印象的なモダンな表紙で、思わず高遠さんらしいな~、どちらかというと成澤准教授のイメージ?と思ってしまいました。
それぞれ、高校時代のエピソードが。
『屋上のスタンダール』
成澤は高校の頃からキザだったんですね。
でもそれは天然の意図しないキザ。
友人となった葛城も最初は彼が気に入らなかったようです。
でも彼の読むフランス語が気持ちよくて、成澤の美意識のようなものに触れ、彼を受け入れるようになるといった話。
若い頃の成澤は、彼女達をとっかえひっかえ。
それは一部分が好きだからだったのですが、大人になってした恋は一部分でなく全てを好きになるということ、成長したんだな、と実感させるエピソードでした。
きれいな物、きれいなパーツが好きだった成澤が、冴えない蒼井を好きになる。
それが本編だったんだ、と、改めて本編をもう一度読みたくなる、よい番外話でした。
『恋は雪のように降りつもる』
片想い真っ最中の三浦と、まだ全くそれに気が付いていない友人としての堂島の高校時代。
寒い中堂島を待つ三浦が健気で、そんなに待ってないよと答える三浦がかわいくて、、この頃から切ない片想いをしていたんだと、映像になってその姿が浮かんできます。
鍋をつっつく2人もあったかくて、でもやっぱり切ない。
片想いって、本当に切ない!
全体に、とても優しいお話でまとまった小冊子でした。