サガン。
2009年の小説リンクスを彩ったイラストに小説家さんがオリジナルストーリーを付けるこの小冊子。
短いけれどなかなかステキでしたvv
「ピストルオペラ」篠崎一夜×香坂透
任侠道で敵対する組織の2人。
攻は受に盃を受けて欲しいが、受は組織を裏切るような真似は出来ない、と。
受の方がキレイな顔して言葉に訛り?があります。
「運命の刻を分かつ者」秀香穂里×陸裕千景子
大尉×少尉
自分の考える正義のために組織をこっそり裏切りつつ動く受。
そんな受の動向に攻は自分の後を託すならこの者しかいないと…。
「REAL IMITATION」きたざわ尋子×円陣闇丸
2人芝居をしたデビュー作が一緒の同い年の2人。
舞台をきっかけに自分の気持ちに気付いた受と、そうなるのを待っていたような攻。
イラストがその芝居のポスターという設定なのだが、どうしても同い年には見えない…(いや、役的には違うのかもしれないけど)
「荒野」名倉和希×金ひかる
クーデター派の大佐×捕虜となった皇太子
捕虜となった受に攻が与える秘密の屈辱。
歪んだ愛情の末路。
引き際?を定めているあたりがなんとも好き。
物語が続くのならば、この攻の想いが報われることがありそうな気も…?
その際にはどちらかといえば絵のイメージだと個人的には皇太子×大佐を希望。
「恋、遣らずの雨」妃川螢×稲荷家房之介
追う者×追われる者
雨の中、偶然の再会。
少しも色褪せない想いの中、逃げるのは相手が追ってくるのを確かめるためなのか…。
せつない再会愛。
「月隠れ」水壬楓子×佐々成美
幼友達で親戚の警護役×東宮の弟
クーデター派の首謀者として内密に捕らえられ寂れた場所へと移された受。
そこに深夜、忍び込んできたのは兄から刺客ではなく…。
これ、好きですv
水壬さんの書く和物って初めて読んだ気がするのですが。
イラストもすごく好きでかなり萌えましたv
もっと読みたい!!
「追われて候」剛しいら×小山田あみ
手練れの風来坊×瓦版屋
最近強いと噂の用心棒がやられたと聞いた受はその下手人であろうと思われる攻の聞き込みをしようとして…。
なんかうまく丸めこまれてるような?
不思議なお話でした。
「暗夜燈路」谷崎泉×せら
大陸で成功した男×廓で下働きをする男
特別な接待と称して男廓に連れて来られた攻。
そこで誰でも好きな者を指名すればいいと言われたのだが、そんな気はなく。
ところが、そこに同級生だった男の姿を見つけて…。
下働きをする前は廓に10年も出ていた受。
自分を「汚い」と言い、攻に触れさせないようにするところが好きです。
「壺男」沙野風結子×九重シャム
性格の悪い従兄×同居することになってしまった高校生
従兄に言われ蔵を掃除していた受はそこで不思議な壺を発見する。
その壺をこすると、従兄と同じ形をした、けれどやさしい男が現れ…。
ちょっとメルヘンな展開のお話。
壺はホントは願望の現れだったんだね、みたいな。
イラスト自体は「地獄めぐり」の絵なんですよね。
それが別の物語になるのはなんだか不思議な感じです。
「掌上で恋は踊る」橘かおる×御園えりい
雷神×光を招く者×風神
光を招く者を取り合う三角関係と見せかけて、本当は風神に目を向けている雷神。
まっすぐに伝えず遊んでいるのだが、光を招く者が一計を考じて…。
絵だけ見てると全員美形でキレイなんです。
だけども、このお話だと風神はちょっとまっすぐというか純なバカな子なんです。
雷神×風神となることを考えると、一番後ろのが雷神だと思うんだけども、絵的に単細胞っぽいのもこの一番後ろの子なんだよなー。
前の子が風神だとするとクールビューティっぽく見えるし…これでバカとか詐欺に近いものが(爆)
さぁ、どっちが正解!?
「月に焦がれる星の夜」栗城偲×あじみね朔生
次期王の学友だった男×次期王によく似たその弟王子
次期王の結婚式に呼ばれた攻はそこで、その弟である受に引き合わされ誤解もあって無理矢理抱いてしまう。
受は抱かれているうちに攻が次期王に気持ちがあることを知りつつも、どこか惹かれてしまう。
けれど、攻と接すれば接するほどどれほど次期王を想っているかは知れて…。
このお話すごく好きです。
受の想いがせつなくて。
そうとは知らないからきっと攻は受の心を抉るようなセリフを吐くし。
これが攻の何もかも知った上での策略だったらスゴイな、とも思ってみたり。
ま、その場合、受がちゃんと幸せになれるのでそれでもいいのですが。
あー、もっと続きが読みたい!!
「今宵、月の下で」桐嶋リッカ×緒田涼歌
恋人同士の2人。
コスプレというかキレイに女装して結婚式です(…)
甘いというか、イチャラブみたいな。
いろんなタイプのお話が読めて楽しかったですv
個人的にはタントツで「月に焦がれる~」が好きですvv
我が家にも一昨日、届いたばかりの小冊子です。
昨年よりも、ややページ増しした140ペーシ。
作家陣も豪華ですが、イラストレ-タ-陣も至って豪華な顔ぶれで、内容のショートショートも意外と読みごたえがあって、応募したことを悔やませない貴重な一冊だと想います。