水青
崎谷はるひさんの小冊子です。『不埒なモンタージュ』と『花がふってくる』の番外編です。明義×未直で「不埒なテーブルマナー」。涼嗣と秋祐で「花は甘く溺れ」の2本が収録。
【不埒なテーブルマナー】
大学生になった未直と、相変わらず無茶ばかりする明義の二人が食卓を囲む様子が読めます。口内調味について詳しく書いてあって、崎谷さんはこういう知識を詳しく述べるのが好きみたいですね~。
未直が作ったご飯を、タバコ吸いながら口にかき込む明義に未直がプンプン怒ってます。タバコが嫌なんじゃなくて明義の身体のことを心配してるんです。
なのに明義は相変わらず仕事でも無茶して肋骨折ったりしてます。「明義さんになんかあったら後追いしてやる」と呟く未直に、冗談でも言うなとたしなめる明義。「じゃあさっさと若い男見つけて、エッチしまくってエロオヤジのことなんかすぐ忘れてやる」と怒鳴る未直が必死でカワイイです。明義は爆笑。
もちろんエロも濃いですよ~。さっきは爆笑してたくせに、未直の発言を根にもってねちこく責める明義は相変わらずオヤジでした。しかし未直も負けてはおらず、覚えたテクで明義を翻弄。結局ラブラブな二人でした。
【花はあまく溺れ】
涼嗣視点です。エロは無し。なんとここでは、涼嗣の元婚約者・理名と涼嗣の悪友・佐伯がいつの間にか付き合ってたことが発覚。
佐伯に呼び出された涼嗣は、何故理名と婚約解消したのか、誰のために婚約解消したのか教えて欲しいと言われます。そうでないと理名が踏ん切りがつかないようだし、自分も理名にプロポーズできないと言う佐伯。
そう告げられた涼嗣は秋祐に連絡し、自分達のことを教えてもいいかとメールで聞きます。動揺した秋祐はすぐに佐伯と涼嗣のもとへ。二人の醸し出す雰囲気に気付いた佐伯はさすがに何も言えなくなってしまいました。
そんな佐伯に秋祐は「俺が涼嗣のこと誘惑したんだ」と震える声で告げます。必死にカミングアウトしながら「涼嗣は悪くない。俺のせいだから」と叫ぶ秋祐が愛しすぎます…。そんな秋祐を涼嗣もかわいいなとか思ってます。ノロケ…。
この作品は本編もしっとりとしていたので、番外編も作品の空気は変わりません。ベッドシーンも無し。友人へのカミングアウトがリアルに書かれていました。素晴らしい。カミングアウトされた佐伯も、その事実をすぐに受け入れるわけではなく、ただ否定はしないという姿勢。
その時の佐伯の「正直めんくらったが、妙に納得はしてる。とくに涼嗣については。昔からアキちゃんに関しては、ちょっとおかしかったから」という台詞が印象的。「人」として「雄」として優性である涼嗣の歪みが垣間見えた気がします。
番外編小説の他にも、イラストを担当したタカツキノボル先生・今市子先生のコメントや『不埒なモンタージュ』のドラマCDのアフレコレポや声優さんたちへのインタビューなど内容が盛りだくさんです。今年は『花がふってくる』もドラマCD化するので楽しみです!