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heart blue
個人的には男と男の関係が印象的な、「ブロマンス」味を一番感じた映画なので、思い出がてらレビューします。(うーん、でもWikiなどの「ブロマンス」の定義とはまた違うのかな?とも思ったりする)
もうウン十年前に観た映画なので、内容はかなりうろ覚えなんですが、胸に残る作品です。何といっても監督のキャスリン・ビグローの手腕が光る。女流監督の感性ならでは、なんて書くとジェンダーギャップフィルターかもしれませんが、「漢の色気」を描かせたら私的にぶっ刺さる人物を引き出してくれる唯一無二の監督さんなんです。よく形容されるのは、「骨太」とか「剛腕」。女性の監督には珍しくアクション・戦争を題材にした作品が多いことが一因かもしれません。カメラアクションも豪快な方で、この作品ではサーフィンやスカイダイビングのシーンは圧巻。でも、演出では一転、俳優の演技の機微を拾うことにも長けており、アカデミーを受賞した「ハートロッカー」では、戦地でささくれ立った男の境地を、ちょっと孤独な不良っぽさを残すジェレミー・レナーが好演してました。この「ハートブルー」も、あらすじを追うとよくある90年代のアメリカアクション映画なんですが、ビグローの演出で、FBI捜査官のキアヌと、自由を謳歌する犯罪者・パトリック・スウェイジの、一味も二味も違う魅力を堪能できます。
いわゆる正義の象徴でもあるFBI若手捜査官(キアヌ)が、強盗団に潜入捜査することから、そのリーダーである男(スウェイジ)にある種羨望ともいえるものを覚え、、、キアヌの端正な顔立ちが秩序的に見えるほど、スウェイジの野性味溢れる自由が(無秩序が)際立ち、そのコントラストが実に小気味良いです。危険の中でしか味わえないアドレナイン中毒のカリスマ男をスウェイジが演じて、ピカレスクロマンを体現し、そのどうしようもない漢の色気を、ビグロー監督は描きたかったのかな、と思います。それを同性であるジョニー(キアヌ)に拾わせることで、限りなくロマンスに近い(でも性愛ではない)関係性が発生したのかな。と。
カリスマ性を狂気で終わらせることなく、ラストシーンに繋げたのは、白鯨に向かう船長と重ねるアメリカン・ダンディズム?でしょうか。
パトリック・スウェイジ、よくよく考えると良い映画いっぱい出てますよねぇ。「ゴースト」もしかり、「ダーティ・ダンシング」しかり。マイナー系では「三人のエンジェル」や「ドニー・ダーコ」など。もっと観たかったな。年を取ってもよい役者さんになりそうだったのに。。。
ビグロー作品では「ブルースチール」「ゼロ・ダーク・シティ」ほか、ドラマでは「ホミサイド/殺人捜査課」もメガホンを取ってます。うーん、骨が太い!って感じ。個人的には「ストレンジ・デイズ」が好きなんですが、賛否あるエンタメ映画なんだよなぁ。
近年リメイクで「X-ミッション」も作られました。