てんてん
ryujinsama to itoshi no honey drop
本品は『龍神様と愛しのハニードロップ』のコミコミ特典
小冊子です。
本編後、八千穂のお気に入りについてのお話です。
八千穂は精気を与える行為の一環として
蘇芳の髪をくしですかすのを秘かな楽しみにしていました。
白髪でも銀髪でもない、うっすらと緑かがった灰白色の髪は
絹のようにすべらかでキラキラと輝いていて
ついうっとりとして見惚れてしまっていたのです。
しかし、蘇芳は人間になって間もなく、
腰の下あたりまであった髪をバッサリ切ってしまいました。
龍神だった頃灰白色だった髪も、
墨を流し込んだ様な漆黒に代わってまるで別人のようです。
その日、母屋の火元と戸締りを確認した八千穂は
1日中駆け回って汗だくになった身体をすっきりさせようと
離れで待つ蘇芳を気にしながらも足早に風呂に向かいました。
ざっと身体を流して湯船に浸かると思わずため息がこぼれ
八千穂が心地よさに目を閉じていると勢いよく引き戸が開き
全裸の蘇芳がぬっと浴室に入ってきたのです。
驚く八千穂を尻目に
蘇芳は掛け湯をして無理やり湯船に入ろうとし、
動転した八千穂は湯船の隅で身体を縮める事になり・・・
A5判カラー表紙(カバー同イラスト)2段組12頁にて
蘇芳に直撃された八千穂の攻防劇になります♪
「昔は蔵人が何人も一緒に使っていたと聞いたぞ?」と
蘇芳はニヤリと笑ってしっかり湯に浸かりました。
八千穂が恥ずかしさから体の大きな人と一緒だと
窮屈ではと反論するのですが
蘇芳に強引に腕の中に抱き抱えられてしまいます。
しかも蘇芳に密着された八千穂は反応してしまい、
蘇芳に手を出される事になってしまうのです。
八千穂は風呂掃除のために
蘇芳を早々の追い出す羽目になりますが
風呂上がりの蘇芳の髪を乾かしながら
八千穂のそばが自分の生きる場所だと
言ってくれた幸せを噛みしめる
・・・という八千穂が過去を懐かしみながらも
今の幸せを噛みしめるというお話でした。
八千穂が今の黒髪の蘇芳を愛していると思いながらも
灰白色の髪を梳い時の感触を懐かしんでしまう
八千穂のやるせない思いが滲むお話でした。
龍神でも人間でも変わらず愛しているけれど
失われてしまったものもまた
八千穂が愛した蘇芳の一部なのですよね。
※他特典(レビュー済)
フェア店特典は八千穂が新商品を考案するお話です。
アアマゾン特典は八千穂と金魚立との出会いになります。