てんてん
nyanko panic
本品は『にゃん虎パニック~恋スル呪イ~』のコミコミ特典小冊子です。
本編幕間、樋垣家に海翔がお泊りした夜のお話です。
テイクアウトした牛丼とインスタント味噌汁で簡単な夕食を済ませた晩、
入浴を済ませた海翔が縁側でリキに遊んでもらっていると、海翔に続いて
入浴して就寝準備を終えた駿一郎が隣に腰を下ろしました。
海翔はボディソープもシャンプーも同じなのに湯上りの匂いにドキドキし
てしまいます。こっそり隣を窺っていた海翔でしたが、視線を感じた駿一
郎に「なんだ?」と訝しがられてしまいます。
「格好いいなって思っただけ。おれもせめてあと10センチくらいは身長が
欲しい。」と言うと、駿一郎は「10センチは厳しいかもしれないが、もう
少しは伸びるだろう」と真面目な口調で呟いて、大きな手で軽く海翔の頭
を撫でて微かな笑みを滲ませます。
駿一郎の口数は決して多くなく、海翔が1人でしゃべっているようなもので
すが、何もしゃべらなくても一緒にいる時間はとても心地がいいもので、
ぼんやりと庭を眺めていると1匹、2匹と猫がやってきました。
リキが攻撃してこない事を知っているせいか、犬が近くにいてもお構いなし
に庭石の上でくつろいでいます。駿一郎は「とりあえず茶トラ猫は間違いな
いんだよな」といい、"ねこのおやつ"を手にサビトラに近づいていき・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)12頁のボリュームで、海翔の猫化
実験のお話になります♪
人間には怖がられる駿一郎ですが、たいていの猫には好かれていて、しゃが
みこんだ駿一郎に呼ばれたサビトラはふらふらと歩み寄り、あっけなく捕獲
されます。
駿一郎は海翔の前で足を止めると「いいか」と尋ね、海翔が「うん」とうな
ずくと膝の上にサビトラを置きますが、海翔は変化しません。駿一郎は役目
を終えたサビトラを庭に放すと、今度はサバトラを捕え、予告なく海翔の膝
に乗せますが、変化はありません。
そして最後に茶トラを乗せると見事にトラ猫海翔になります。落ち着かない
海翔は即戻りたいと駿一郎の肩に脚をかけますが、駿一郎は少し残念そうで
す。それでもキスして戻してくれますが、猫耳と尻尾は付いたままです。
駿一郎の手にしていたスマートフォンには生後2ヵ月のホワイトタイガーの
赤ちゃんが映っていました。海翔は赤ちゃんは可愛いと思うものの、万一の
事態を想像して激しく拒否する
・・・という本編幕間のお話でした♪
駿一郎は海翔の猫姿をすごく気に入ってはいるようですが、ホワイトタイガ
ーで実験しようとするのはチャレンジャー過ぎますよね。海翔が駿一郎の
残念そうな様子に絆されかけているのも笑えました (^m^)
※他特典(レビュー済)
フェア店特典は駿一郎の祖母の見舞いに行くお話です。