てんてん
harunarai
本品は『はるならい』のコミコミ特製イラストカードで、表面がカバー
のカラーイラスト、裏面にイラストイメージの短編を掲載しています。
収録短編は本作『はるならい』のためにカバーイラストを山田章博先生
が描き下ろしされているのですが、本品はそのイラストをイメージに
崎谷先生が書き下ろしたお話で完全新作です。
突風に花弁が雪のように舞う春のある日。
目の前に立つそいつはのんびりと花吹雪が凄いと呟きます。まだ春先だ
と言うのに素足にサンダルで、寒くねえのかね、と頬杖をついたおれは
じっとその爪の桜色を眺めていました。
桜ってこんなにばんばん散ってんのに、花粉症とかにならんのかね
なんて呟きにも何かの本で読んだ「桜は虫が受粉させる虫媒花だから花
粉を飛ばす必要はないから人間が花粉症になる事もあまりない」との雑
学を披露したら、無駄な知識ばかりあると知っている事を馬鹿にされた
様な反応をされて腑に落ちません。
目の前の雑居ビルの物置みたいな謎空間を住処&仕事場にする男は、古
いものを集めて、直したり、改造したりしてまだ売りに出す事が仕事で
おれは仕事をあっせんしたり、金を貸したり、借りたりする仲です。
元々は美術家のある高校の同級生で、なんとなくいまだにずるっと連る
んいる・・・というよりも・・
四六判サイズのカードで三段組とけっこう長めなオリジナルストーリー
です♪
・・・切れない様に、必要とされるように何気なさを装いつつ糸を意図的
につなげつぱなしにしていたのです。
それなら真っ黄色のスギ花粉ってあの量の精子垂れ流してるみてぇな
もんか
言うに事かくまさか過ぎる発想です。正しいと言えば正しいかもですが
いちいち口にする類のものではないと思うのです。
そいつはやっぱり虫がいいと言い出した挙句、目的の花にだけ受粉に託
けて唾つけたい等と言うのです。うろんな目になったおれの目の前が陰
ったと思ったら花びらみたいな感触が口をかすめ、そいつに「つりあえ
ず唾つけとく」と言われて頬を赤らめる
・・・という友人に恋心を抱く男のお話でした♪
ベンチに腰かけているのが「おれ」でその前に立っているのが「そいつ」
のようですね。
序章にもならない前日譚ですが、しっかり2人の関係性と思いが見みえる
のが凄いです。どこかでぜひ続きをお願いしたいです (^m^)