てんてん
torikago no tobira wa tojita
本品は『鳥籠の扉は閉じた』のフェア書店特典ペーパーです。
本編後、帷が雪加にホラーゲームをプレゼントするお話です。
また2人が学生で帷が必死に親友の皮をかぶっていた頃、雪加はよくゲー
ムをプレイしていました。実家では買ってらえなかったため、帷の家で
ゲームをプレイし、すっかり嵌ってしまったようで、帷が容赦なく貢い
だ結果、立派なゲーマーに成長したのです。
しかし鳥籠に閉じ込めてからも箱庭に解放している間も、ゲーム関連の
ものを見対でも受取りはするものの、雪加は電源を入れようとすらしま
せんでした。
帷もあの時は状況が状況だったからだとは思っていますが、思いを通じ
合わせた今なら、雪加も久しぶりにゲームをする気になるかもしれず、
それがホラーゲームなら怖さのあまり帷に縋ってきて、いちゃいちゃで
きるのではという下心万歳で雪加を誘います。
驚きつつもいそいそとプレイし始めた雪加が寄りかかってきたり、口元
に運んだクラッカーを美味しそうに食べてくれるのを喜んでいた帷でし
たが、そろそろ最も怖い展開に差し掛かっているのに、雪加は泣いて縋
るどころか、怖がる素振りさえ見せません。
対戦相手が目の前で切り刻まれても、雪加は慌てず騒がすやり過ごし、
帷がびっくりすると優しく帷の手を撫でてくれる余裕まで見せ、そんな
雪加はうっとりしている間にあっさりクリアしてしまい・・・
A5版(書店により版違い)片面、3頁半のボリュームで、雪加を怖がらせて
らぶいちゃ展開を期待した帷の策略ミスが笑えるお話です♪
4時間足らずのプレイ時間は初プレイとしてはかなり短時間ですが、結局
1度も雪加に抱きついてもらえず、当然イチャイチャできなかった帷は、
ホラーゲームとして鉄板の別のゲームを差し出します。
最初のゲームは基本的に逃げて隠れるだけですが、こちらのゲームはゾン
ビとの対戦ものです。帷の確固たる意志が通じたのか、雪加は戸惑いなが
らも少し休んでからならと承諾してくれます。
よし!! と拳を握って雪加のリクエストの紅茶をいれに行った帷の後姿を
見送った雪加は苦笑をもらします。雪加は理由はわからないながらも帷が
雪加を怖がらせようとしていた事には気付いていたのです。
でも雪加にとっては鳥籠の中や、箱庭から逃げ出した時の帷のほうが、
ゲームよりも遥かに恐ろしかったのです。帷には全然敵わないと思うと
恐怖など霧散してしまうのです。
しばらくの間、帷は雪加にホラーゲームを献上し続けますが、帷の願い
は叶わない
・・・という恋人になってからもいろいろと残念な帷のお話でした♪
まず雪加のほうから甘えさせるのに「怖がられる」というのも、その方
法がホラーゲームというのもズレてないですか!?
出来る男がちょっと抜けてる、ズレてるというのは微笑ましさを醸しま
すが、雪加の言うとおり、帷の場合はちょっと無理があり過ぎかな。
本編がシリアスなので、本編では挟みようのないクスっと笑えるとコメ
ディチックな展開は番外編ならではで良かったです。