てんてん
suigan no koibito toshukusai no phantom
本品は『翠眼の恋人と祝祭のファントム』のコミコミ特典小冊子です。
本編後、オリヴァーの歓迎会のお話です。
今夜は市警察からほど近いパブ・ニコルズにてオリヴァーの歓迎会が
企画されました。
このパブは他課の連中も馴染みにしているので、他課との交流や情報
交換の場ともなっています。ニコルズは今日も盛況で、エドワードは
これなら署にいるのと変わらないのではと呟きます。
そんなエドワードに幹事役のレイモンドは、ここなら注文すれば酒も
料理も出てくるのだから署内でするよりも楽だろうと言い、主役にも
同意を求めますが、オリヴァーはメニュー選びの邪魔をされて冷たい
視線を向けてきます。
笑顔で礼を言われたかったエドワードの願いもむなしく、オリヴァーは
エドワードにおススメ料理、幾つかの料理と3人分のビールを頼みます。
課長は運悪く会議の予定で遅れての参加なのです。
とりあえず3人で店の自慢のビールで乾杯すると、やっと歓迎会らしく
なってきます。まだオリヴァーはメニューブックに見入っていましたが
エドワードはオリヴァーがアントン祝祭会でどうやって屋敷に入ったの
かと訊ねます。
するとレイモンドは、エドワードとカップルのふりをしたのをまぜっ返
してきてエドワードは渋面を作ることになります。思い出すだけでザワ
ザワするとまで言われると、話を振ったエドワードのほうがダメージを
受けてしまいます。
しかもオリヴァーの応えは「僕が正面から入るわけないだろう」という
実に彼らしいもので、レイモンドはたまらず噴き出してしまいます。
今後は潜入捜査などしないというエドワードに、レイモンドは人出不足
を強調し、オリヴァーも同意を示すとエドワードは追い詰められたよう
な反応を示し、思わず2人で笑ってしまいます。
注文していたバイとスープが来ると、途端に食い気に走るオリヴァーで
したが、慣れた手つきで切り分けるオリヴァーを見てレイモンドは感心
しながらもふとした疑問がよぎり・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)で12頁で二コルズでの歓迎会の
様子を描いたお話です。
1人で行動している割には手慣れているのは「教会で食べる事が多いか
ら」との事でしたが、オリヴァーがよく教会に行くのは任務報告の為で
はなく食事の為と知ったレイモンドとエドワードは驚きを隠せません。
オリヴァーはいちいち報告なんてしない、面倒くさい、すべての教会が
狩人の活動を理解しているわけじゃないとムキになって反論してきます
が、それが2人の笑いを誘う結果になってしまいます。
次はレイモンドの番、と何か隠し事がないかとふられたレイモンドです
が、エドワードのようなトラウマもオリヴァーのように予想外な出来事
も思いつきません。
しかしオリヴァーに「レイはヒビり」と指摘されて、不意打ちでテー
ブルを鳴らされると声を挙げてしまい、2人ににんまりと感じの悪い
笑みを浮かべられる
・・・という3人のノリの良い飲み会風景が楽しいSSです。遅れてやって
来た課長も実は・・・というそれぞれの予想外の姿が見られるのは、番外
だからこそですね。