まりぽん812
Avalon no higashi
小冊子は二段組で7ページ。文字のサイズが小さいので、文庫なら20ページくらいでしょうか。とても豪華な特典です。
イグナーツとヨシュカがアヴァロンの東にやってきて三度目の夏。
田舎暮らしにすっかり慣れたものの、都会の文化に触れることのない寂しさも感じていたある日。シェーンハイトの隣国から来たという派手な衣装の吟遊詩人がやってきて、一曲披露したいとしつこく縋ります。
歌は下手で、わけの分からない唸り声に大げさな身振り。招き入れたことをイグナーツが後悔し始めたとき、驚きの歌詞が飛び出します。先の戦が魔女の仕業だったこと、ヨシュカの兄・マティアスと騎士・レーヴェが魔女を倒し、レーヴェが勇者となったというのです。
イグナーツとヨシュカは一度シェーンハイトに帰ることにし、ヨシュカが記した手紙を吟遊詩人に持たせ、一足先にマティアスたちの元へ向かわせます。
この吟遊詩人、歌は下手だし、しつこいし、胡散臭くていいところがないのですが、そのしつこさのおかげで教会番を突破することができて、手紙をマティアスの元に届けることができたのですよね。
彼のこのしつこさがなければ、イグナーツとヨシュカが”勇者の歌“を聞くこともなく、手紙を書くこともなかったわけで。
しつこくて冴えない吟遊詩人のおかげで二組のカップルが奇跡的に再会できたところに、なんともいえない面白さを感じました。
彼のおかげなのだから、イグナーツとヨシュカはそのままご主人様になってあげてほしいな。歌は下手だけれど、しつこい彼は一生懸命二人に仕えると思いますよ(笑)。