「黒獅子パパの恋つがい」コミコミ特典SSペーパー

心がぎゅぅと痛むのは

本品は『黒獅子パパの恋つがい』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。

イア視点での過去回想になります。

ほんのすこし前まで
イアはジーリの子らを可哀そうだ
と思っていました。

その頃イアには
大好きなナーダがいたからです。

でも、イアが言いつけを破って
街の外に抜け出したせいでナーダは
人族に殺されてしまいました。

いあのせーだ。

最初イアは犯してしまった罪の重さに
恐れおののいて目を逸らそうとしましたが

迎えに来てくれたジーリ達が
カエデを断罪しようとして
イアは嘘をつき続けられなくなりました。

カエデは何もイアに酷い事をしなかったし
カエデが罰せられるなら
イアはもっと罰せられねばなりません。

カエデとのためというより
イア自身のためだっのかもしれません。

ジーリの子らは当たり前のように
イアを新しい兄弟に迎え入れ
誰もイアの犯した罪を語らず労わります。

でもイアの中では自分が罪人だと言う
思いが渦巻いています。

ある日、イアは
思い切ってカエデに訊ねました。

かえでは、あんなことしなきゃよかったって
おもうようなこと、したことある?

するとカエデは…

A4版ペーパー両面で
7頁とボリューミーなSSは
イアが小さな心を痛める切ないお話です。

アルヨ。イッパイ

あっさり肯定されたイアは
カエデにむきになってさらに訊ねます。

おもいだすだけで
むねがぎゅうってなるときどうするの?
どうすればこのぎゅうってきもち、けせる?

するとカエデは首を傾けて
イアには判らない言葉をつぶやきますが
うっすらと微笑み応えてくれます。

ミンナ、イアノコトガスキダカラ、
イワナイダケ。デモワスレチャダメ。

胸をギュッとさせる痛みこそが罰であり
二度と同じ事をしない為の戒めなのだと。

イアは苦しい気持ちから逃げたい
と思うばかりでそんな風に思った事は
ありませんでした。

そう思ったイアのなかでほんの少し
痛みの種類が変わったような気がして
イアはカエデの膝の上で躰を丸める

…という幕引きまで
幼いながらもイアが自分の罪と向き合う
というかなり切ないお話でした。

お子ちゃま視点なので
ほわほわなお話かと読み始めたら
裏切られました　(>_<)

心に残る痛みが誰かを傷つけないための
指標になるよう事を願ってやみません。