尾上セイラ先生インタビュー

雰囲気が分からないと書けないと思い立って、モロッコへ行ってきました
北アフリカの小国を訪れた大学生の小日向仁。旅の目的は、消息不明の従兄を捜し、叔母の形見を渡すことです。ところが、道に迷った仁。そんなときに現れたのが、アラビアンナイトに出てくるかのような王子様!? 8月9日発売、尾上セイラ先生の新刊『千の夜とジンの鍵』。尾上先生は、執筆中に思い立ってモロッコを旅したそうです。その行動力は、どんなアラブを生み出したのでしょうか!? それでは「801 AUTHORS 108」第392回、尾上セイラ先生どうぞ！

Q. 新刊の紹介をお願いします！
ある事情から、アラビアンナイトの国にいるはずの従兄を探すことになった男の子が、憧れだったその国で、憧れだった王子様のような従兄と恋に落ちるお話です。
きらきらした、おとぎ話のような内容になっています。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
少し無口で意地悪、でも実は面倒見のいいお兄ちゃん気質の攻め
×
好奇心旺盛で行動力抜群（結果いろいろやらかしては攻めにため息をつかれている）の受け
です。二人とも頑固です。

Q. 当て馬や重要な脇役は？
当て馬はいませんが、攻めの親友とその妹カップルがなんだかんだとストーリーに絡んできます。ふたりのバカップルぶりがお気に入りです。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
日本とは違うアラビアンナイトの世界観を出せるようにがんばりました。
また、好奇心旺盛な受けに振り回される攻めが描きたかったので、受けの子を可愛いと思っていただけるように試行錯誤しました。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
資料集めが楽しかったです。イスラム文化について、ものすごく詳しくなりました！
ただ、やはり文化がいろいろ違うので、書いていて「あれ？ こういうこと、あっちの人はするのかな？」と常に迷っていました。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
初めに書いた話と仕上がった話では、180度違う内容になっていることです。
初めは、攻めはもう少し現代的な普通の人で、その親友は結構ひどい当て馬でした。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露お願いします！
今回のお話のベースになったモロッコへ行ってきました！
初稿を書いているときに、やっぱり雰囲気が分からないと書けないと突然思い立って、即ツアーに申し込みました。
今から考えると、現実逃避だったかも……(笑)。
目いっぱい楽しんで帰ってきました。

Q. 今、何かハマっていることは？
旅行が以前からずっと大好きです。外国の文化に触れることが大好きなので、旅行に行けないときは雑誌やテレビで我慢しています。それから、今回おとぎ話調のお話を書いたことで、絵本にハマってしまいました。気に入った絵本を少しずつ集めています。

Q. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう？
楽しんでいただけるか不安な気持ちと、嬉しい気持ちとでいっぱいです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
アラブや砂漠が舞台で、攻めは王子様みたいですが、いわゆる「アラブ」の王道展開はありません。
その代わり、ドキドキとキラキラがたくさん詰まったお話になっています。
小椋先生のイラストがとても素敵なので、気になった方は是非、お手に取ってみてください！
よろしくお願いします。

担当編集より
小説ショコラ新人賞デビュー尾上セイラの第二作！
今作も異国情緒あふれるお話となりました。
叔母の形見を従兄に渡すため、中東の小国シャムスジャミールを訪れた主人公の仁。
従兄のユクセルはなんだかんだ意地悪を言いつつも、素直で好奇心いっぱいな彼を冷たく突き放しきれず面倒をみてしまう二人のやりとりには思わず笑みを誘われます。
ピュアでハートフルな二人の恋愛をぜひお楽しみください！

発売後、ショコラHPにて
書き下ろしショートスーリーを無料公開!!

(c)尾上セイラ／小椋ムク／心交社