しちみ先生インタビュー

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しちみ先生インタビュー闇を抱えた優等生×儚く健気な少年、危うい夏の恋…コミックス『Nighty,Night Nightmare』

2025/11/21 17:00

夏に浮かされた2人、これは純愛か情欲か――

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第4163回
しちみ／幻冬舎コミックス／バーズコミックスラブキスボーイズコレクション
コミックス『Nighty,Night Nightmare』11月21日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
ある夏の日。友人の別荘を訪れたフィンリーは、透けてしまいそうなほど儚げなニコラス少年と出会う。ニコラスから“夜な夜な現れるお化け”について打ち明けられたフィンリーは、その告白の裏に家族間での性的な秘密を感じ取り、「僕が守る」――そう心に決めニコラスへの想いを募らせてゆくが……。これは純愛か、情欲か、それとも危なげな“何か”――？

――作品紹介をお願いします
『Nighty, Night Nightmare』は、優等生のフィンリーと、儚げでどこか不思議な少年・ニコラスが出会う、夏の別荘でのお話です。
“夜な夜な現れるお化け”をきっかけに始まるふたりの交流が、少しずつ友情でも恋でもない、危うい関係へと変わっていきます。
「これは純愛か、情欲か、それとも危なげな“何か”――？」というアオリのように、ストーリー重視でありながらエロスも感じていただけるように描きました。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
攻のフィンリー(10代)は、真面目で理性的な優等生タイプ。でも心の奥には独占欲や闇のような感情を抱えています。
ニコラスに惹かれていくうちに理性が崩れていく、そんな危うさを意識して描きました。
一方の受のニコラス(10代)は、無垢そうでいてどこかつかみどころのない少年。人間らしさと異質さのあいだを漂うような存在で、読者の方にも“掴みきれない存在”として映るよう意識して描きました。

――当て馬や重要な脇役は？
ニコラスの異母兄で、フィンリーの親友でもあるリックというキャラがいます。
いわゆる当て馬ではないのですが、彼の“普通の少年らしさ”があることで、フィンリーとニコラスの異質さがより際立つような存在です。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
夏季休暇を過ごす少年たちの日中と秘密を持つ夜との対比や、思春期の純粋さと欲望のあいだの揺らぎを夢と現(うつつ)のように感じていただけるような物語運びを意識しました。
絵の面では、部屋に差し込む光や暗闇に浮かぶニコラスの肌など、エロエロを目指しつつも繊細で幻想的に見えるよう意識しました。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
ニコラスの脚や寝姿など、「静かな美しさ」をどう表現するかがとても難しかったです。
反対に楽しかったのは、初めて“攻め視点”で描いたことです。
フィンリーと同じ目線でニコラスを見つめるような感覚で進められて、気づいたら自分も物語に入り込んでいました。

――今作にまつわる裏話はありますか？
最初はもう少しミステリー寄りの展開を考えていたのですが、描いていくうちにフィンリーの心の動きをしっかり描きたくなって、今の形に落ち着きました。
タイトルの『Nighty, Night Nightmare』には、“おやすみ”の優しい響きと、“悪夢”のような背徳感の両方を込めています。
作品を読み進めるうちに、その意味を少しずつ感じ取ってもらえたら嬉しいです。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
ちょうど春から夏にかけての連載だったのですが、作中の夏とは対照的にずっと家にこもって原稿を描いていました(笑)。
窓の外から聞こえるセミの声を聞きながら、作中の光や空気を描くのがちょっと不思議な感覚でした。

――今、何かハマっていることは？
海外サッカー観戦と料理、ワインはずっと好きなのですが、最近はお取り寄せスイーツにもハマっています。
原稿を終えたあと、試合を観ながらワインと一緒に甘いものを食べる時間がすごくいいリフレッシュになっています。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
新しい作品をお届けできることが本当に嬉しいです！
これまで応援してくださっている方には「しちみらしい」と思ってもらえる部分もあると思いますし、初めて読んでくださる方にも、静かに心を揺らすような物語として楽しんでいただければ幸いです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
『Nighty, Night Nightmare』は静かに進むお話ですが、ページをめくるたびに少しずつ熱が上がっていくような作品です。
ぜひ、眠れぬ夜のおともに読んでいただけたら嬉しいです。

担当編集より
しちみ先生の作品ではお馴染みの“ニコラス”くんが、今作では儚げで健気な、10代の少年として登場します。

退屈に過ごす“はず”だった少年たちの、泡沫のような夏の日々を——そんな季節の余韻を心ゆくまで噛みしめていただけたら嬉しいです。

企画段階からご一緒し、物語の大枠を理解していた“はず”の担当編集ですが、最後の最後まで目が離せない展開に、心を奪われ続けました。
改めて、“しちみワールド”の深みを実感しています。

ぜひ読者の皆様にも、この特別な体験を楽しんでいただけたら幸いです！

先生へのご感想も、心よりお待ちしております。