NEW!09/29 mongdo先生&Unicorn先生インタビュー 恋愛ゲームの男爵令息に転生して魅力的な攻め達に翻弄される♥ コミックス『脇役に憑依したら愛されすぎて困ってます』
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2025/09/28 17:00
BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第4110回
いしだ赤月/笠井あゆみ/二見書房/シャレード文庫
小説『触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない』 8月25日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!
STORY
サワガニのチャロ、オス、独身。夢は人間になってアオ○ンすること。ある日「人間になる素」を飲んで変身し、通りすがりの男・龍治に拾われる。一人と一匹(?)の奇妙な同居生活が始まるが、変身後もチャロの手はシザーハンズ、精液は蟹ミソと、どうも蟹要素が強いまま。そんなチャロを気味悪がりながらも受け入れてくれる龍治に惹かれるチャロ。チャロの天真爛漫さに孤独を癒される龍治。しかしチャロには蟹としての運命が待ち受けていて…不思議で切ない異種族ラブ。
――作品紹介をお願いします
野生のサワガニとネオン街に住む人間の、体の関係から始まるちょっと変わった恋のお話です。
某体液を摂取することで人間風に変身できるサワガニのチャロは、ひょんなことから龍治に拾われ同居を始めます。本物の人間になりたいチャロは、「もっと体内に取り入れなきゃ!」と龍治に毎晩おねだりするんです。その……某体液を。お互い「カラスよりカワウに似てるかも」「このエロガニめ……」みたいな状態で先に体を繋げてしまい、少しずつ想いを寄せ合うものの、そのままめでたしとはいかず……。
個人的に『光と闇のネオン街おとぎ話』と表現するのが気に入っていて、物語に触れてくださった方がチャロや龍治と一緒にたくさん笑って、時にギョッとし、ちょっぴり泣ける、そんな一冊になっていたらいいなと思います。
――主人公たちはどんな攻×受ですか?
攻めの龍治はSM風俗店の雇われ店長で、男前ですがぶっきらぼう。性格は真面目で、チャロの異様さ以上に「お前、未成年じゃないだろうな……」みたいなところを気にしています。ちなみにチャロに向かって一番最初に発した言葉は「……虫?」です。受けのチャロはア○カンに憧れる天然のエロガニ。同時にlikeの好きしか知らないピュアっ子で、後ずさりしないというタイトルのとおりポジティブでまっすぐです。変身後しばらくは「に」しか言いません。
実はそれぞれに抱えている過去があり、チャロに関してはちょっと驚かれる方が多いかもしれません。
――当て馬や重要な脇役は?
龍治の職場でボーイとして働く竹田と市村は、ストーリーを動かす上で欠かせない存在です。チャロが野生の勘(?)で仲良くなれそうにないと感じた竹田と、反対に仲良くなる市村。市村は風俗店のボーイとしては少々頼りないですが、シリアスな場面にちょっとだけ笑いを差し込んでくれる、隠れたシゴデキです。当て馬はいませんが、「今日イッチーがね!」とチャロが市村の話題を出そうものなら、龍治は嫉妬し眉間じわを深~くすることでしょう(笑)。
――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
一つは作中に何回も出てくる濡れ場です。どの触れ合いにも必ず意味をもたせ、キャラクターの心を脱がすターン……みたいなイメージで執筆しました。川でのア○カンシーンには特に思い入れがあり、喘ぎ声はあえて用いず、本能と魂をぶつけ合う時間になるよう心掛けています。あとは私、「多少眠くても内容が理解できる」くらいシンプルなお話が特に好きでして。ものすごく単純な設定(ア○カンしたい蟹が人間を目指す)を、どう展開したら最後まで楽しんでいただけるかな?という部分を大事にしました。小説家をきどってしまいドキドキしています……。
――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
苦労したのは、チャロ(人間風ver.)の動きや身体反応的な部分です。全部の指がハサミになっているのでうっかり曲げないようにしたり、血が透明なので「火照る」「頬を染める」といった表現を封印したり。夕焼けがチャロのお尻を染めるシーンはあります(笑)。書いていて特に楽しかったのは、蟹ならではの言葉遊びでしょうか。一番のお気に入りは、チャロ(蟹ver.)が存在しない肩を落としてがっかりする場面。ぜひ探してみてください。
――今作にまつわる裏話はありますか?
実は初稿では、チャロの一人称が「おいら」でした。担当様が判断を委ねてくださりおいら受けが爆誕する可能性もありましたが、チャロが故郷の小川で人間の会話を聞いて言葉を学んでいるという背景から「僕」に変更しました。
それから表紙のキャラクターの服装をどうするか、という担当様とのやり取りも印象に残っています。最後までお読みいただくとわかるのですが、表紙の彼らって「ありえない」んです。川でのシーンが出てきますが、その頃にはチャロのシザーハンズはとある変化を遂げていて、さらに彼らの服装は……。6月頃に「う~ん、蟹の前貼りとか……」というボケをかまし、担当様からのツッコミ待ちです。
服装を大まかに指定させていただき(ボケを貫けなかった小心者)完成したイラストは、お互いの手が触れそうで触れられない切なさに加え、まるでチャロと龍治の思い描いた夢が美しく再現されているようで……今この瞬間も眺めてうるっとしています。笠井あゆみ先生、本当にありがとうございます!!
――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
ここ数年の体調不良の原因が、コーヒーの飲みすぎだったことが判明したんです! 在宅メインのフリーライターという仕事環境に加え、歯の着色予防に耐熱ストローを買ったのがよくなかったと思うのですが、コーヒーカップ換算で1日に20~30杯飲んでいて。なんと誤植じゃないんです。四六時中じゅるじゅると……。コーヒーを控えた途端ものすごく元気になりました。皆様もお気を付けください!
――今、何かハマっていることは?
インド映画が好きで、定番タイトル~新進気鋭の制作陣による作品まで楽しんでいます。様々な時代背景からBL作品はまだ多くないものの、アンソロジーを中心に同性愛を扱った作品が増えている印象もあり注目しています!
あとは最近アフリカ映画も観たのですが、こちらがもう自由すぎて。視聴者への熱烈歓迎挨拶から始まり、にも関わらず俳優さんが演技している最中にナレーションが別作品の紹介を始めちゃうんです。「映画の途中だけどこっちもおすすめだぜ!」みたいな。なのに題材はかなり深刻で、大変刺激をもらいました。いつか二冊目を実現できたら私もやりたいです。「攻めと受けが険悪ムードだけど、既刊のサワガニBLの見どころを紹介するぜ!」……あ、市村ってこういう時に便利なキャラです。
――BL作家になったきっかけを聞かせてください
BL作品に初めて触れたのは二年前のこと。漫画とアニメから入り小説も読んでみたところ、濃密なストーリー&濡れ場に出てくる「なんとなく意味は摑めるけど初めて見る漢字」の数々に大興奮……! 本を読む習慣のなかった私が時間を忘れて楽しめたことにも感動し、新作~数十年前の作品まで読むように。「私もいつか、漫画派の人にも面白いと思ってもらえるような小説が書きたい!」なんて妄想から書き始めたのが本作で、2024年5月に投稿、9月の初めに採用通知をいただきました。文章を書く仕事自体は22歳からしていて、本作を書き始める少し前からシナリオのお仕事にも挑戦しています。
――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
一年前には自分しか知らなかった物語。たくさんの方のお力を借りて読者様に届くことが、嬉しい反面とっても不思議な感覚です。そして令和の時代にサワガニBL。「この衝撃を読者様にも!」と採用くださったシャレード編集部様には本当に頭が上がらず、もともとレーベルのファンでしたがますます大好きになっちゃいました。小説派の方にも、そして漫画派の方にも、ぜひ楽しんでいただけたらと思います!
――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
最後までお読みくださりありがとうございました!
作品を通じて一人でも多くの読者様と出逢えることを、すごく楽しみにしています!秋の夜長にぜひホットコーヒー片手に……あ、夕方以降はなるべく飲まないほうがいいとお医者さんに言われたのでした……。
◆担当編集より
本作はシャレード新人小説賞からのデビュー作です。私は新人賞の選考には関わっておらず、文庫用に加筆修正の終わった完成原稿の段階で担当を引き継ぎました。
編集長から「サワガニBLの担当よろしく」と言われ、「サワガニBLとは??」と思いながら読んだところ、本当にサワガニBLでした(笑)。
奇想天外な設定ながら、散りばめられた伏線を見事に回収。面白かわいいシーン満載のラブエロコメディかと思わせておいて、徐々にシリアスな展開に引き込み、そして心温まるエンディングへと一気に読ませる筆力。担当編集として、原稿段階、赤入れ、初校、再校と最低4回は目を通しますが、毎回同じところで泣かされてしまいました。
いしだ先生、「蟹の前貼り」の渾身のボケを華麗にスルーしてしまい申し訳ありませんでした。その代わりというわけではありませんが、本文イラスト1枚目に衝撃の蟹前貼りが!(違)
イラストといえば、笠井あゆみ先生がキャラデザインの際に、5パターンのちょっとずつ違うチャロを描いてくださいまして。編集長は「AかDでしょう」、私は「Bかな」と予想していたのに、いしだ先生が選ばれたのはEでした…。全然わかっていなくてすみません。皆様がご覧になっているのはチャロEです。
なお、個人的に本編中で一番お気に入りのシーンは「あ・ほ・か?」です。ぜひ本文でお確かめを! どシリアスな場面にもぶっ込まれるギャグに、泣き笑い必至です。
☆いしだ赤月先生・著『触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない』(8/22配本)特典・フェア情報
1)特製SS、※有償特典(アクリルカード):中央書店コミコミスタジオ
※有償特典の有無はお選びいただけます。
2)いしだ先生コメント入りブロマイド:ホーリンラブブックス
3)電子限定SS:電子書店共通(ラ・ロズレ:8月末、コミックシーモア:9/15~、他10月~)
『触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない』
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