黒井よだか先生インタビュー

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黒井よだか先生インタビュー不愛想だけど優しい獣人×ウブな元ヤン助手！不器用同士のほっこりラブ♡コミックス『寅野探偵事務所へようこそ』上下巻

2024/11/12 17:00

楽しい共同生活がアクシデントで一転、ドキドキ生活に⁉

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3820回
黒井よだか／KADOKAWA／B's‐LOVEY COMICS
コミックス『寅野探偵事務所へようこそ上』11月15日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
不運が重なり、家なしになってしまった天涯孤独の矢野快晴は、たまたま見つけた住み込み可の探偵事務所の事務に採用される。雇い主は獣人の寅野慈雨。強面だけど仕事熱心で不器用な慈雨は、知れば知るほどいい人で、彼と暮らす姪の結は天真爛漫でかわいい。楽しい住み込み生活を送る快晴だが、慈雨とアクシデントでキスしてしまってから、彼をとんでもなく意識してしまう。そんな中、調査で慈雨とハプニングバーに潜入することになり――!? 訳ありの獣人捜し、初心すぎる恋――獣人×人間＋獣人と人間のダブルが織りなすハッピーラブライフ。

――作品紹介をお願いします
獣人BLであり家族BLであり探偵モノ(not推理)です。
好きなものいっぺんにやったろ～！と思ったら性癖お子様ランチみたいなことになりました。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
不愛想で不器用だけど仕事はできるし家族思いで優しい獣人(元刑事の探偵)×不器用で初心な元ヤン(事務員たまに助手)です。

――当て馬や重要な脇役は？
一番は攻の姪っ子です。家族の中心なので。寅野家のおじいちゃんとおばあちゃんのような存在である喫茶店のポメラニアンの夫妻もお気に入りです。
あと攻が探偵なので依頼人が出てくるのですが、依頼を通して話が進んでいくのでどの依頼人も凄く重要なキャラクターです。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
現代を舞台にした獣人BLなので、本編で説明されませんが世界観をガチガチに固めて描きました。(苗字の由来、名前の年代別の流行り等)
また、同時に家族BLでもあるので『うまくいってる家族』や『うまくいかなかった家族』いろいろあるんですが、ままならないところはありつつ出来るだけやさしい話にしたいと思って描きました。
あとはもう私の獣人に対する性癖を可能なかぎり詰め込みました。でかくてモフモフなのが好きです。(手に肉球ありかなしかで迷ったんですが、進化の過程で人間と同じく手を使うことになっていくなら似たような進化の形になるだろうと思って肉球なしにしました。イメージ的にゴリラの手みたいな。肉球があるとかわいいんですけどね！)

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
一番大変だったのが連載中に一度スランプに陥ってしまったことです。抜け出るまで本当に苦労しました。各所にご迷惑をおかけして大変申し訳なく…。
その間いただいたお手紙やレビュー、X(旧Twitter)で呟かれてた感想等がすごく励みになりました。
実は獣人で漫画を描いたのがはじめてで、今見ると連載当初描き慣れてないかんじがあったんですが、コミックスになるにあたり一話ほぼ全ページ慈雨をブラッシュアップ修正させてもらいました。
描いていて楽しかったのは攻の筋肉、受のやわらか腹筋と尻、姪ちゃんのもちもちした手足です。やはり肉。肉は最高。そしてもふもふ。もふもふです。指が沈む毛並み。当初作画で便利なブラシ(ペンの種類みたいなものです)で描いたんですが、もっと毛のかんじが欲しいと思って大部分を一本ずつ描くようになりました。えっちなシーンも頑張ったので是非。
あとコミカルなシーンが多いので、そこも楽しかったです。強面の攻ですが作中ではよく耳や尻尾がぺそ…としていてたり、受が挙動不審だったり般若みたいになってたりします。

――今作にまつわる裏話はありますか？
実は当初五話構成の予定だったんですが、上下巻でいいですよとおっしゃってくれたおかげでたくさん描くことができました。
あとボツにしたネタというか、他にも考えた依頼がいろいろありました。慈雨が大立ち回りすることになる同業者の依頼とか、快晴の昔の知り合いからの依頼とか、結ちゃんのおともだちの依頼とか。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
はじめて人間ドックを受けて胃カメラと大腸カメラをやりました。ふだん受の尻に無理をさせる漫画を描いてるのでいい体験になりました…。

――今、何かハマっていることは？
引っ越しがしたくて良い物件を探しています。
憧れの家具や夜業環境があるので可能な範囲で叶えたいです。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
長い話を描くのが好きなので、初の上下巻すごく嬉しいです。描き下しもあるので連載を追ってくださっていた方にも新鮮な気持ちで楽しんでもらえたらいいなと思います。
寅野家と他の面々が愛されますように。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
獣人がお好きな方も普段はあんまり手にとらないな～という方にも、楽しんでいただけると幸いです。宜しくお願いします！

◆編集部より
黒井よだか先生の新作は、獣人×人間＋獣人と人間のダブルが織りなすハッピーラブライフ！
獣人で探偵をしている慈雨さんと、人間で天涯孤独な快晴、慈雨と暮らす姪の結ちゃんで始まる楽しい共同生活。そんな中快晴は、慈雨とアクシデントでキスしてしまってから、彼をとんでもなく意識してしまい――。

獣人と人間のBLってどうなるの!? とドキドキしましたが、種族が違うからこそのすれ違いや相手への理解であふれていて、読了後は心がぽかぽかしました。
いかつい顔の慈雨さんですが、お耳がぺしょんとなったりしっぽが膨らんだり、獣人ならではの感情の豊かさが感じられて最高です。先生こだわりの慈雨さんのもふもふに埋まりたい一心です。もふもふは正義。
姪の結ちゃんにふたりはよく振り回されています。関係性も含めて、この家族がいとおしくて仕方ないです。

愛して愛される、幸せな家族の物語をぜひ堪能してください。